SuU×時速36km『骨-日-』 音楽性の異なる2組が自分たちの音楽をぶつけ合った、念願の初ツーマンをレポート
9月28日、下北沢SHELTERにてSuUの自主企画『骨-日-』が開催された。12:30開演というイレギュラーなスケジュールにもかかわらず会場は超満員。それもそのはず、この日はSuUが盟友である東京・江古田の4人組、時速36kmと初めてのツーマンを行う記念すべき1日なのだ。SuUと時速、音楽性はまったく違うが、そこに込められたマインドには明らかに通じ合うものがある2組が自分たちの音楽をぶつけ合ったこの日のライブ。その特別さも相まって、会場には終始熱い空気が流れていた。 【全ての写真】SuU×時速36kmのツーマンライブ『骨-日-』(全15枚) 満員のフロアを前にまず登場したのは時速36km。SEがやみ、仲川慎之介(vo/g)がしっとりと歌い出したのは「化石」。その歌に重なるようにバンドサウンドが鳴り響いた。松本ヒデアキのドラムとオギノテツのベースがどっしりと曲を支え、石井開のギターがメランコリックな気分を連れてくる。そうして始まったライブは、続いて一気にアッパーに振り切る「銀河鉄道の夜明け」と「七月七日通り」で早くも最初のピークを迎えた。オーディエンスは拳を突き上げ、その様子を前に仲川の歌も熱を帯びる。前のめりなサウンドと、のびやかなメロディが鮮やかなコントラストを描き出し、このバンドにしか描き出せない情緒がステージから放たれる。じっくりその音に聞き入る人、頭を振り、腕を上げ、全身でそれを受け止める人……それぞれの受け止め方でライブを楽しむオーディエンスの姿が、時速36kmの音楽がここに集まった人々の中に深く根を下ろしていることを物語るようだ。 ドライヴィンなギターリフと心の叫びのような歌が心をざわつかせるポップチューン「助かる時はいつだって」を終え、仲川が挨拶。昼公演ということで「俺も朝辛かったけど、みんなもそうだったと思う。まずは拍手っすね」と集まったオーディエンスを労う。「結構長い付き合いで、知り合って3~4年くらいになるんですけど、バンドで(対バン)っていうのは初めてだから、すげえうれしいです」とSuUとの初ツーマンを喜び、「すごくいい音楽を奏でるやつらなので、俺らもそうしたいと思います」と宣言。そしてSuUのすずきたくまが「事あるごとに好きだって言ってくれる」という楽曲「ラブソング」を届ける。優しく穏やかなリズムの上でどこか懐かしいようなメロディが弾むこの曲のもつあたたかなムードがじんわりとフロアに広がっていった。 バラード「クソッタレ共に愛を」を全身全霊で歌い上げ、「一生懸命歌いましたわ」と仲川。「結構な友達ですから、やっぱり力が入りました。SuUのため、そしてあなたたちのために一生懸命できたのがうれしいです」。そして、SuUがほかのバンドとはいかに違うかっこよさを持っているかを力説すると、「まだまだこの2バンドでがんばっていきたいなと思います」と気持ち新たにライブは最終盤へ。怒涛のアンサンブルが畳み掛けてくるような「ブルー」、さらにギアを上げるように突入していった「ハロー」を経て、ラストは「夢を見ている」。フロアからも大合唱が巻き起こり、シェルターがひとつになる。最高の雰囲気の中、時速の4人はステージをSuUに引き継いだのだった。