【マイルCS南部杯】レモンポップがペプチドナイルとの激闘制し連覇 坂井瑠星騎手「勝つために乗っている」
第37回マイルチャンピオンシップ南部杯(14日、盛岡12R、指定交流、JpnⅠ、サラ3歳上、選定馬、定量、ダ左1600メートル、1着賞金7500万円、晴れ、良)坂井瑠星(27)=栗・矢作=騎乗の1番人気レモンポップが、好スタートからハナを奪い、2番手を進んだペプチドナイルを3/4馬身振り切ってゴール、連覇を達成した。3着は10番人気のキタノヴィジョンでJRA勢が上位を独占した。 ◇ ライバルの抵抗が王者の風格を際立たせた。昨年、2秒0もの大差勝ちを演じた盛岡の地。負けられないと①番枠から堂々、先手を奪った孤高の王者レモンポップに、こちらも堂々とけんかを打ったのが今年のフェブラリーSの覇者ペプチドナイル。意地と意地がぶつかり合ったマッチレースは、最後まで抜かせなかったディフェンディングチャンピオンに凱歌(がいか)があがった。 「最高の気分です。今年も4コーナーで引き離しにかかったんですが、離せずに苦しいレースになりました」。表彰式で安堵(あんど)の笑みを浮かべる坂井騎手。3/4馬身差の接戦とはいえ、抜かされる雰囲気はみじんもなかった貫禄のフィニッシュに「今週の追い切りで遅れてしまったようで、点数は70点と田中先生はおっしゃっていて、70点なら勝てるんじゃないかなと思っていました。この馬と国内で負けていないし、勝つために乗っているので」と胸を張った。 「状態的に100点満点を与えられる形ではなかったので、そこを踏まえるとやはり地力があるなと。これだけの馬ですし、現役を引退した後のこともあるので、今後はいろいろな選択肢から決めていきたい」と田中博調教師も愛馬に最敬礼だ。肌寒さがました夜を王者が今年も熱く盛り上げてみせた。(内海裕介) ■レモンポップ 父レモンドロップキッド、母アンリーチャブル、母の父ジャイアンツコーズウェイ。栗毛の牡6歳。美浦・田中博康厩舎所属。米国産。馬主はゴドルフィン。戦績17戦12勝(うち地方3戦3勝、海外2戦0勝)。獲得賞金6億3675万6000円(うち地方2億2500万円)。重賞は2023年GⅢ根岸S、GⅠフェブラリーS、JpnⅠマイルCS南部杯、GⅠチャンピオンズC、24年JpnⅠサンケイスポーツ賞さきたま杯に次ぐ6勝目。マイルCS南部杯は田中博康調教師、坂井瑠星騎手ともに23年の同馬に次ぐ2勝目。馬名の意味は「レモンスカッシュ」。