やせたい!脂肪を燃やす【L‐カルニチン】 、ホントに効果あり? 上限摂取量をオーバーすると起きる副作用とは
40~50代になると、脂肪が落ちにくくなってきた……。 そんなお悩みはありませんか? 【 画像 】お尻をやわらかくするストレッチ法 日本の女性は一般的に50歳頃に閉経を迎えるといわれており、昨今の研究では閉経の平均年齢は52歳で、閉経前後の5年間は更年期と定義されます。 この時期はホルモンバランスの影響で、からだや心のさまざまな不調に悩む女性が多いようです。 更年期女性によくあるお悩みのひとつに「痩せにくい」ことがあります。 今回は、脂肪を燃やすのに欠かせないL‐カルニチンについて、医薬品登録販売者でもある、あんしん漢方ライターの円山 真由佳さん、そして一般社団法人日本サプリメント協会理事長、後藤 典子さんに教えてもらいました。
L‐カルニチンってなに?
L-カルニチンは遊離アミノ酸(アミノ酸の形をとらずに、血液中や細胞内に存在する物質)の一種で、細胞のミトコンドリアに脂肪酸を運搬する働きをもっています。 L‐カルニチンは、必須アミノ酸のリジンとメチオニンを材料として体内で合成されています。 ただし、体内合成量だけでは足りないため、外部からの摂取が大切です。
L‐カルニチンの効果
L‐カルニチンの摂取で期待できるのは、脂肪の燃焼を促す効果です。 前述のとおり、L‐カルニチンは、脂質が体内で分解された物質である脂肪酸を、ミトコンドリアに運びます。 運ばれた脂肪酸は、主に心臓や筋肉を動かすエネルギーに変換されます。よって、L‐カルニチンが体内に十分に存在すると、脂肪からエネルギーへの変換効率がよくなり、脂肪が燃えやすくなるのです。 また、脂肪が効率よく燃えてエネルギーの供給が増えることで、疲労感やだるさの緩和や運動時のパフォーマンスの維持にも役立ちます。
L‐カルニチンの効果的な摂取方法
L‐カルニチンの効果的な摂取方法を3つご紹介します。 【1】 食事から摂取する Lカルニチンは、肉類や魚介類に多く含まれています。とくに、牛肉の赤身は、Lカルニチンの含有量が多いおすすめの食材です。 また、Lカルニチンの材料になるリジンやメチオニンを含む食材もあわせて摂りましょう。リジンは大豆製品や魚介類、メチオニンは赤身の魚や肉、乳製品に多く含まれています。 【2】ビタミンや鉄を一緒に摂る L‐カルニチンを体内で合成するには、リジンとメチオニン以外に、ビタミンC、ナイアシン、ビタミンB6、鉄が必要です。 上記の栄養素がひとつでも不足すると、L‐カルニチンの合成に支障がでます。肉だけでなく、野菜や果物などもバランスよく食べましょう。 【3】サプリメントを飲む 食事からのLカルニチンの摂取が難しい場合、サプリメントを飲みましょう。L‐カルニチンのサプリメントを摂取する際は、自分の肉類の摂取量や運動量に合わせて調整が必要です。最初に選ぶなら、1粒あたりの含有量が少ない製品だと調整しやすいでしょう。 ただし、L‐カルニチンサプリメントの摂取量は、上限である1日1,000mgを超えないように注意しましょう。 過剰摂取した場合、吐き気や嘔吐、下痢、腹部のけいれん、生臭い体臭などの副作用を引き起こすことがあります。 サプリメントを飲むタイミングはとくに定められていませんが、筋トレや運動の前に飲むと脂肪の燃焼に効果的といわれています。 【前編】では痩せたい人たちに人気の「Lカルニチン」はどんなしくみで作用するのか、効果的な摂取ポイントと代表的な3つの方法についてご説明しました。 ▶つづきの【後編】では、Lカルニチンが不足しやすい方の特徴について、同様の効果が欲しい人が漢方薬で飲むなら何がいいのか?…についてお聞きします。
あんしん漢方 登録販売者 円山真由佳