超熱弁!記者会見約5000字全文公開!5連勝で首位堅持の指揮官が語る“現在地”「タイトルを取るまでやり続ける」|フットサル
名古屋に引き分けた後の表情は危惧するものだった
──追われる立場のなかで、田中選手なども「『1位の振る舞いはするな』と言われている」と話しています。監督の思考が浸透していることを感じますが、勝ち続けている今、どのようにチームをマネジメントしているのでしょう。 これはいつも話していますが、本当にまだなにもつかんでいません。今、1位にいるだけ。大事なのはシーズンが終わった時に1位にいることです。例えば、名古屋から挙げる勝ち点3も、他のチームから挙げる勝ち点3も、全部「勝ち点3」です。大事なのは負けないこと。勝ち点3を積み上げること。どのチームに勝っても勝ち点3なわけですから、緩める試合はありません。「11月の町田、しながわ、立川という上位との3連戦が大事だ」と周囲からも言われましたし、表向きに話してきましたけど、この後の3つはもっと大事です。北九州、大阪、仙台。今、下位にいるチームを相手に、勝つべくして勝つことは本当に難しい。俺たちは名古屋オーシャンズじゃないんだぞ、と。 彼らは、そういう相手に勝つという哲学が浸透していますが、うちは違います。今シーズンはすごく勝てていますし、それこそFリーグ開幕当初、2年間くらいの浦安はすごく勝っていましたけど、もう十何年も経っています。このクラブが勝ち続ける、1位でい続ける経験はそれ以来していません。だから何度も何度も言いますけど、最後にタイトルを取るまでやり続けるんだ、と。さっきもミーティングで話したんですけど、自分たちが目指しているところをつかみ取るまで、緩めることはしない、と。俺もしないし、選手にも毎回練習は100%でやってほしい、と。 ものすごくきついと思います。心のどこかで、相手チームの順位とかを考えちゃいますから。でも、それをなくそう、と。そのことが象徴的だったのは、中断明けにこのホームでやった名古屋との試合後でした。 0-0で引き分けたけど、誰がどう見てもうちらのゲームだったと思います。でも勝てなかった。その時、週明けのミーティングで選手に話を聞いたら、全員が「いい試合だった」「勝ちたかったけど勝てなかった」と、すごく満足そうな顔をしていました。自分たちはやり切れた、と。でもそれは危惧するものだったので伝えました。 「名古屋に引き分けたからその顔ができるよな。でも、最下位のチームに引き分けたらその顔ができるか?オフェンスが良かった、ディフェンスが良かったってそんな意見が出るか?勝手に順位づけをしているんだよ。名古屋に引き分けたから、満足そうに話をしている。俺たち勝てたよね、強かったよね。でも違うでしょ。最下位のチームを相手に引き分けたら、同じようには言わないじゃん。だから俺たちはまだまだ1位じゃないんだよ。その振る舞いを間違えてはいけない。名古屋にも勝たなければいけなかった。チャンスどれだけあった?ああいう試合をちゃんと勝利に結びつけられるチームが、タイトルを取るチームだよ。第1クールの湘南への負け、名古屋の引き分け、それがなかったら勝ち点11差にできていたんだよ。だからそういうところはシビアにしないといけない」 そんな話でした。どうなんでしょうね。毎回毎回、監督から「決勝戦だぞ」って言われるのはきついかもしれない。でも誰もが達成したことがないものを取ろうとしたら、それくらいの強い覚悟がないと無理だと思います。 今のグループは全員が結果にこだわっているし、勝つためにコミットしているからこそ、強くいられます。チャンスを与えて、それに応えられなければ使えないという、厳しい世界だと思います。でも、遊びでやっているわけではなく、トップカテゴリーのプロフェッショナルでやっていて、タイトルを目指しているからこそ、その振る舞いが必要です。