自公国が経済対策案で合意、103万円の壁「引き上げる」と明記
Yoshifumi Takemoto [東京 20日 ロイター] - 自民・公明の与党と国民民主党の政調会長が20日国会内で協議し、国民民主が求める年収の「103万円の壁」引き上げなどを盛り込んだ経済対策案について合意した。政府・与党は、22日にも経済対策を閣議決定できる見通しとなった。3党の政策論議は今後、103万円の壁の引き上げ幅などの具体論に移る。 自公は19日、取りまとめ中の経済対策に103万円の壁引き上げやガソリン減税を検討する文言を入れる修正案を国民民主に提示。国民民主側は20日朝、与党案を了承した。3党の政調会長が20日午後に再協議して修正案で合意した。国民民主の浜口誠政調会長が記者団に明らかにした。 国民民主党の説明資料によると、与党の経済対策案には「103万円の壁について、2025年度税制改正の中で議論し引き上げる。ガソリン減税(暫定税率の廃止を含む)については自動車関係諸税全体の見直しに向けて検討し、結論を得る」との文言が入る。浜口政調会長は「明記されることで大きな山が動く」と評価した。 このほか、防災対策として避難所となる体育館へのエアコン設置支援なども盛り込まれた。 国民民主としては今後、与党側の税制議論の進ちょくを確認。与党の対応次第では「補正予算案に賛成しない可能性もゼロではない」(浜口氏)としている。 20日午前に開かれた税制協議では、国民民主が税制改正要望一覧を提示。103万円の壁について所得税の基礎控除等を103万円から178万円に引き上げることやガソリン減税(トリガー条項発動、暫定税率廃止、二重課税廃止)などを「最重点要望」に掲げ、「重点要望」には消費税の時限的引き下げや賃上げ減税、投資減税などを盛り込んだ。 政府は178万円への基礎控除等引き上げは国と地方で7─8兆円の減収になると試算しているが、国民民主は「7─8兆円が国民側に移転する経済効果もある。政府側で試算してほしい」(古川氏)と求めた。基礎控除等の引き上げ幅についても、与党として案があれば示してほしいと求めたという。 政府は物価対策や低所得者向け給付金などを柱とした経済対策を22日に閣議決定し、対策の裏付けとなる2024年度補正予算案を28日からはじめる臨時国会で審議する予定。衆院選で少数与党に転落した自公が補正予算案を成立させるため国民民主など野党の協力が必要となっている。