『ドラゴンズドグマ 2』アプデでPS5、XSXともに50~60fpsに。9月の大型アップデートで遊びやすくなった点、変わった点を開発インタビューと実機プレイで迫る
2024年3月21日にプレイステーション5、 Xbox Series X/S、PC(Steam)で発売され、およそ半年が経過したカプコンのオープンワールドアクションゲーム『ドラゴンズドグマ 2』。発売後も定期的にアップデートされており、直近では2024年10月4日、そして10月17日に細かいアップデートが行われたばかり。 【記事の画像(17枚)を見る】 その前の、2024年9月17日に行われた大型アップデートでは“カジュアルモードの追加”と含め、バクバタルに“戻りの礎”が設置されたり各ジョブの性能調整が行われるなど、ゲームプレイに大きく影響する改修が行われていた。詳細なアップデート内容については、公式サイトを参照してほしい。 実際にプレイしてとても快適になっていたので、上記アップデートに関して気になる質問を投げてみた。『ドラゴンズドグマ 2』の現状や今後の展開について気になっている人は、ぜひご一読を。 開発チーム 一問一答。「NPCの思考の処理の見直しや、各処理の実行順など細かな調整を積み重ねを行いました」 ――2024年9月17日の大型アップデートで、かなり遊びやすくなりました。この規模のアップデートを行うことになった経緯をお聞かせください。: 開発チーム :発売以降、継続的に行っているアップデートの一環として、今回はおもに遊びやすさにつながる調整内容を配信させていただきました。国内外を問わずさまざまなユーザーの皆さんからのご意見をもとにチーム内で調整内容を決めています。いただいたご意見の中には技術的に実装が難しいものや、対応に多くの時間がかかるものも含まれています。すべてに応えられているわけではないのですが、本作をさらに楽しんでプレイいただけるように優先順位を定めて対応を行っております。 ――“特定の状況でCPUに過度な負荷がかかる問題のさらなる改善”とありましたが、具体的にはどのような調整が行われたのでしょうか? 開発チーム :本作では各NPCの思考やキャラクターの物理演算への影響を処理するためにCPUパワーを割いています。そのため、街中など多数のNPCが同時に登場するシークエンスではCPUへの負荷が非常に高くなり、フレームレートに影響を及ぼすケースがありました。CPUがボトルネックとなっていたため、解像度を下げる等のGPU側の負荷を下げてもフレームレート向上への効果が薄いような状況でした。 この問題を改善するため、発売以降のアップデートにおいてNPCの思考の処理の見直しや、各処理の実行順など細かな調整を積み重ねています。2024年9月17日のタイトルアップデート時点では、CPUの負荷軽減の成果として、グラフィック品質の設定を変更することでプレイステーション5、Xbox Series X版ではおよそ50~60fpsでのゲームプレイが可能になっております。Steam版でも同様にグラフィックオプションから処理負荷が下がる設定を選択いただくことでフレームレートの向上が見込めますので、ご利用の環境に合わせてオプションを設定いただければと思います。 公式アカウントから公開されている解像度とフレームレートの目安。フレームレート優先のほうはパフォーマンス重視、解像度優先のほうは品質重視でプレイするといいだろう。 ――今回のアップデートでは6つのジョブの調整が行われましたが、それぞれの狙いについてお聞かせください。: 開発チーム :ジョブの調整については各ジョブの個性が際立つように、スキルの攻撃力上昇や使用感の向上などを主として対応を入れさせていただきました。覚者として自身がプレイする場合の調整はもちろん、ポーンがそのジョブの役割を果たせているかの観点でも改めて見直しを行ったものを調整として入れています。自分がプレイしていて好きなジョブや、ポーンに就かせるジョブもさまざまです。それぞれのジョブのよさやプレイフィールを損なわないように、基本的には上方調整の形でのアップデートとさせていただいております。 ――カジュアルモードは思い切った要素ですね。このモードはどのようなプレイヤー層におすすめですか? 開発チーム :気軽に王道ファンタジー世界を楽しみたい方にぜひプレイいただきたいです。カジュアルモードでは冒険の難度を緩和するための調整を入れているので、シリーズに初めて触れる方でも遊びやすくなっていると思います。ノーマルモードでの冒険を楽しんでいただいている方も多くいらっしゃるので、モードを切り替えることでそれぞれのお好みに合わせた体験を選択できるような形にさせていただきました。 ただシステム面の都合もあり、ノーマルモードからカジュアルモードへはいつでも変更が可能なのですが、カジュアルモードからノーマルモードへの切り替えはエンディングを迎えるまで変更ができないのでご注意ください。 ――カジュアルモードにおける竜憑きの仕様についても詳しくお聞かせください。 開発チーム :竜憑きは感染するとポーンが強くなるというメリットがありますが、それを放っておくと”大いなる災い”が発生してしまうデメリットもあります。これまでのアップデートで感染率の引き下げや、感染状態が目視しやすくなる仕様を追加してきましたが、カジュアルモードでは、感染によるポーン強化のメリットは残したまま、デメリット部分のみが発生しないようにしています。 ――今後も本作のアップデートは行われるのでしょうか? 開発チーム :直近ではPS5 Proへの対応や、いくつかの不具合修正を行うアップデートを予定しています。 ――本作をまだプレイしていないゲームファン、および発売直後はプレイしていたけどしばらく復帰していなかったプレイヤーに向けてメッセージをお願いします。 開発チーム :本作は王道ファンタジー世界で自由な冒険を楽しめるオープンワールドアクションです。2024年9月17日のアップデートはカジュアルモードの実装など、より気軽に本作の世界を楽しんでいただけるような調整も入れさせていただきました。発売直後はなかなか時間が取れなかった方はもちろん、アクションやファンタジーが好きな方、主人公になりきってロールプレイを行いたい方、一人プレイでも他の誰かと冒険する楽しさを味わいたい方はぜひこれを機に本作をプレイいただけると幸いです。 約半年ぶりにプレイした結果、快適さがマシマシになっていた。これなら万人に勧められる 筆者は『ドラゴンズドグマ 2』発売直後にガッツリとハマり、約1ヵ月で150時間以上プレイ。平均すると1日5時間ほどの勢いで遊んでいた。このころはプライベートな時間をほとんど『ドラゴンズドグマ 2』で過ごしていた記憶がある。その後はプレイ頻度が減っていきしばらく離れていたが、9月の大規模アップデートを機会に、本作の世界に再び降り立ってみたくなったのだ。ちなみに筆者はPS5(通常版)の環境でプレイしている。 というわけで、約半年振りの『ドラゴンズドグマ 2』。ゲームを再開したら、自分の分身である覚者がバクバタルに突っ立っていた。 記憶をたどってみると、2周目をクリアーして3周目に突入し、少し遊んでいたところまでは思い出せたが、なぜバクバタルにいたのかは忘れてしまっていた。そのため、ストーリー進行を気にせず自由に行動することに。操作感覚を思い出しながらのプレイなので、ジョブはいちばん使い慣れているマジックアーチャーへ変えてみた。するとジョブチェンジ後、倉庫からも装備品を取り出せた! おお、倉庫からも取り出せる! 以前は所持品からしか装備品を選べなかったので、さりげない快適さに感動。 キャラクターと同列で倉庫ボックスが表示されるのが少しシュールではあるが、便利になったことは変わりなし。当時はジョブチェンジのたびに宿屋へ向かうのが煩わしかったので、ここだけで感動もの。「最初からそうしてくれよ」と一瞬頭をよぎったが、当時は面倒だとは思いつつもひたすらプレイし続けていたので、それ以上の魅力が『ドラゴンズドグマ 2』にはあったのだろう。 マジックアーチャーにしたところで、せっかくバクバタルにいることだし、周囲を散策してみることにした。もしかしたらアップデートで新たに設置されたという戻りの礎が見つかるかもしれない。戻りの礎はファストトラベルに利用するもので、遠く離れた地から飛んで来られる場所となる。 人々が大勢いる場所を移動しているときにも、以前より処理の重さは感じなかった。戻りの礎探しは後回しにし、戦闘のリハビリを兼ねてポーンの待機モーション、覚者とポーンのダッシュ開始時のモーションの追加など、ほかのアップデート内容も確認するため“刹那の飛石”を使ってハーヴ村へ飛んだ。 正直、既存モーションと新規モーションの違いは比べてみないとわかりにくいが、ダッシュや待機モーションは冒険中に何百回、何千回と見ることになるので、バリエーションが多いことにこしたことはない。同様に高速飛行する大型敵に乗っているときのモーションの追加されたようなので、さっそくグリフィンの背にも乗ってみた。 こちらもアップデート前の動画と見比べていないので判別が難しいが、グリフィンの背という不安定な場所での動作がより自然になっている気がした。 もうひとつ気になっていたのが、竜識者とのアイテム交換リストに“原初の王冠”、“原初の王鎧”、“原初の冑靴”が追加されたこと。確認したかったのだが、残念ながら竜識者はメインストーリーをある程度進めないと出会うことができない。確認するには、ある程度メインストーリーを進め冒険する必要がありそうだ。 アップデートとは関係ないが、せっかく3周目のプレイの途中なので、1~2周目ではやらなかったプレイも試してみることに。ストーリー上とても重要な人物であるベルントを敵国であるバクバタルへ連れていくといった破天荒な遊びもできた。自由度の高さも本作の魅力なのだ。 そんなことをしているうちに、バクバタルの地で新たに設置された戻りの礎を発見! こんな場所にあったのか! 頻繁に訪れることになるバクバタルに、いつでもファストトラベルで戻って来られるというのは非常に心強い。かつては牛車や徒歩を駆使することで旅の苦労を味わっており、それはそれで楽しい思い出だった。しかし、気軽に遊びたい方へは正直本作をおすすめしづらかったところも以前はあった。今回プレイしたのは以前と同じノーマルモードだが、初期に比べて遊びやすさが洗練された印象のバランスとなっている。 より気軽に楽しみたい方に向けては、9月のアップデートでカジュアルモードが追加されている。こちらのモードで気負うことなく本作の自由度を味わい、手応えがほしくなったら改めてノーマルモードに挑むといった遊びかたもおすすめだ。