【ドローンで12kgの水を運ぶ】「あいにくの雨天は災害想定の実証実験日和!」 岐阜県関市・各務原市
中京テレビNEWS
5月27日、岐阜県関市の中日本航空専門学校で始まった災害想定の物流ドローン実証実験。 この実験は関市と各務原市、ドローンの空路ルート開発などに取り組む会社の3者が「次世代高度技術の活用による地域振興等に向けた連携協定」を結び、初めて行われるもの。
雨の降りしきる会場には、大人3人がかりで運ばれる大型のドローンの姿が。 ドローン下部の箱の中に重さ12kgの飲料水(500mlのペットボトルが24本入った段ボール)が緩衝材とともに積み込まれた。 会場で見守る学生などのカウントダウンののち、危なげなくドローンは視界の悪い空へと飛び立っていった。
今回の実験では、ほとんどの行程は山の上を通り、無人地帯を補助者なしの目視外で飛行する「レベル3」相当で、離陸と着陸以外は自動で飛行する。 目指すは約6キロ先の各務原市。10分ほどでトラックや乗用車などが走る道路の上空にドローンが姿を現すと自動操縦から切り替えられ無事、所定の位置へ着陸した。 積み荷の飲料水もしっかりと関市長から各務原市長の下へ届けられた。
今回、実験に参加した関市長は「谷間の過疎地域も抱えた関市では孤立集落などの課題を抱え、80の地域が孤立するともいわれている。このドローンが解決できるのでは」と取り組みに期待を寄せ、各務原市長は「災害だけでなく物流の2024問題がある中で全国が注目する実験」だと災害時以外のドローンの活躍にも言及した。
実験を主催したクロステックフィールドジャパン平野祐也社長は「能登半島地震でも雪や霧でヘリも飛べなかったと聞いているので、あいにくの雨だったがむしろ災害想定とすれば実証実験日和だった。成功して一安心した。ドローンの実走は近い未来の話だが、日本でなかなか飛ばせないのが課題なので、これからさらにドローンを役立てるために飛ばせるルートを増やしていきたい」と話した。