「なんでちっちゃいの?」身長85センチの小3男児 半年に1回手術…難病と向き合う親子の日常
橙吾くんが小学1年の時から受けている手術は、脊椎の成長を妨げずに側弯を矯正する「グローイングロッド法」と呼ばれる治療法です。脊椎にインプラントを設置し、それを2本のロッドで連結。このロッドは延長できるようになっていて、これを半年に1回程度伸ばしていく方法です。手術は全身麻酔をして処置が行われます。 柳田晴久医師 「1回につき5ミリから1センチぐらい伸ばす治療を行い、成長が頭打ちになったあたりでがっちり固めてしまう手術をする。いま8歳なので、4・5年は少なくとも伸ばしていきたい」 手術時間はおよそ2時間。今回は背中のロッドを6ミリ伸ばしたということです。 母・菜絵さん「お疲れ様がんばったな」 橙吾くん「うん」 手術後2日間は安静にして、その後は経過を診るため1週間程度入院します。 母・菜絵さん 「順調でよかったです。術前・術後の説明も丁寧にしてくださるので安心しています」 ■なんでちっちゃいの? 手術によって姿勢は改善され、体力もついてきました。退院後は、元気に学校生活を過ごしています。 橙吾くん 「学校の友だちから『久しぶり』と言ってくれた。先生は『どんぐらい伸びた?』とか興味津々やった」 しかし、3年生になって身長およそ85センチの橙吾くんは、学校で不快な思いをすることがあるといいます。 母・菜絵さん 「1年生からしたら自分より上のお兄ちゃんが自分より小さいのが気になるみたいで、『なんでちっちゃいの?』と言ってじっーと見てくるらしい。メンタル面で壁にぶちあたっている」 橙吾くんの病気が含まれる2型コラーゲン異常症の患者・家族の会の代表は次のように説明します。 毛利環代表 「色んな人がいるんだよと子どもに説明することが大切。学校で一緒に過ごしていくと自然にお互い支えあって過ごせると思っている」 菜絵さんは学校や病院、全国の仲間の支えを感じながら難病のわが子とともに生きる決意を強くしています。 母・菜絵さん 「この8年間で何とかなるなとすごく思えるようになった。支えてくれる人も多いですし、医療も発達してサポートもあることがわかった。みんなといろいろできるようにやっていきたい」
難病に向きあいながら前向きに生きる親子の姿は、病気への理解を広げることにつながっています。
大分放送