「副業」サイトを巡る架空請求詐欺事件の構図

　「悩みの相談に乗れば報酬がもらえる」などと副業をうたうサイトを運営し、利用者から「報酬を支払うための費用」といった名目で現金をだまし取ったとして、警視庁などは千葉県市川市真間1丁目、職業不詳の鈴木一樹容疑者（48）ら20～50代の男女26人を詐欺容疑などで逮捕し、11日に発表した。認否は明らかにしていない。 【写真】警視庁四谷署に入る容疑者の男を乗せた車と報道陣=2024年6月10日午後7時41分、東京都新宿区、三井新撮影 　鈴木容疑者らは「サポー」などの名称でサイトを運営し、SNSなどに広告を出して利用者を募集。2021年1月～23年9月に全国の約8600人から計約20億円をだまし取ったと警視庁はみている。 　捜査関係者によると、逮捕された26人のうち21人は、相談者を装ってサイト上でメッセージを送る「打ち子」だった。いずれもSNSに掲載された「メールオペレーター」の募集広告を見て応募しており、1カ月に約50万円の報酬を受け取っていたという。警視庁は21人が通常のアルバイトと思って参加したとみて捜査している。 　打ち子らは東京都豊島区のビルのフロアに集められ、偽の相談者を装うように指示されていたという。警視庁は、他に事件を計画した人物がおり、打ち子、被害者の両方をSNSで集めたとみている。 　犯罪収益対策課によると、鈴木容疑者らの逮捕容疑は、共謀して23年7～9月、運営するサイトに登録した40代女性から、会員登録料や報酬を受け取るための専用回線の設置費用などの名目で現金40万7千円をだまし取るなどした疑いがある。（三井新、福冨旅史）