立憲民主党「躍進」の盲点…衆院選で比例票増えず「批判の受け皿=支持ではない」と識者指摘
衆院選での自公過半数割れを受け、28日立憲民主党は執行役員会を開き、特別国会の首相指名選挙で野田佳彦代表への投票を他の野党に呼びかけていく方針を確認した。 共産党は“裏金スクープ連発”で自民惨敗させるも議席減…強まる《政党名変えたら?》に党の見解は 「躍進」と一斉に報じられた立憲は、議席を公示前の98から148へと50議席も増やした。野田代表は「首相指名を取りにいくのは当然」と鼻息が荒い。 だが、立憲は浮かれていると足をすくわれる。小選挙区でこそ自民に次々競り勝ったが、比例代表の得票数を見ると、有権者の立憲支持が広がったわけではないことがクッキリなのだ。 画像の【別表】は今回と前回2021年衆院選との比例票の比較だ。自民は533万票の大幅減。公明は115万票減。維新も294万票減。一方、国民民主は358万票の大幅増、れいわも159万票増だ。ところが、立憲は7万票増えただけで横ばいだった。 明大教授の井田正道氏(計量政治学)はこう言う。 「立憲は選挙区では自民に対する批判票の受け皿になった。しかし、比例票は政党支持率に比例する。立憲は直前まで世論調査の政党支持率が1ケタでした。それでは比例票は増えません。選挙区での立憲の議席増は『自民がダメだから、嫌だけど立憲に入れる』という票もあり、本当の支持ではありません」
「比例票は国民民主と日本保守党、参政党に流れた」
28日確定した衆院選の投票率は53.84%(比例代表)。戦後3番目に低かった前回よりさらに2ポイント下がった。本来、低投票率は自民に有利とされるが、今回はそうならなかった。 「自民支持層が自民に嫌気を差して寝る行動に出た。野党にも入れたくないので『政治からの退出』を選択したと言えます」(井田正道氏) 投票所に行った自民支持層でも、「今回は自民に入れない」傾向が比例票の増減で分かる。 「自民が前回から減らした比例票は国民民主と日本保守党、一部、参政党に流れた。前回、維新に投票した人が、今回は国民民主に投票したということでしょう」(井田正道氏) 「政権交代」を目指すなら、立憲は選挙結果を冷静に分析した方がいい。 ◇ ◇ ◇ 3議席獲得した日本保守党に内紛か? ●関連記事【もっと読む】『3議席獲得の日本保守党で何が? 飯山陽氏が自身と家族の“危機”を投開票直前にSNSで告発…百田尚樹代表との泥沼バトルが背景か』で取り上げている。