「トラガールとは呼ばれたくない」両親から「せめて高校は出てほしい」と言われても諦めず、大型トラックドライバーになる夢を叶えたZ世代ギャルドライバー
ニッポンの2024年問題とは? #10《後編》
小学生のころから団体行動が苦手だと感じていた大型トラックドライバーの長谷川春菜さん。そんな彼女にとっていまの仕事は天職だという。彼女がトラックドライバーを目指したきっかけと、最近増えているトラックドライバーのYouTube配信者や、「トラガール」と呼ばれもてはやされる女性トラックドライバーたちへのリアルな意見を聞いた。 【写真】「ギリギリ手積みができます!」と語る長谷川さんのデコネイル
苦手だった団体行動
――長谷川さんがトラックに興味を持ったきっかけを教えてください。 子供のころから乗り物全般好きで、それがトラックに集約されたのは中学生のときに映画『トラック野郎』シリーズをみてからです。「トラックかっこいい! 桃さん(菅原文太演じる星桃次郎)かっこいい!」となって、トラックドライバーになろうと決めました。 全部で10作品あるんですが、最終作は見ないまま、老後の楽しみにとってあります(笑)。 ――中学生で菅原文太さんに! そして中学生にしてお仕事を決められたんですね。 もともと集団生活を苦手に感じていたこともあり高校には行かないと決めて。運転免許を取るための費用だったり、東京に行くためのお金を貯めるためにガソリンスタンドでアルバイトをしていました。 ――ご両親から反対されませんでしたか。 されました。仕事は何をやってもいいけど、せめて高校だけはいってくれと。だから昼はガソリンスタンド、夜はイヤイヤながら定時制の高校に行くことにしたんですけど、やっぱりダメで…。両親に謝って退学しました。なので、最終学歴は中卒ですね。 ――夢を叶えてトラックに乗ったのはいつなのでしょう? 16歳でバイクの免許を取って18歳で車の普通免許を取って。21歳のときに東京で中型の免許を取ったので、私のトラックドライバー人生はそこがスタートです。 4トンに2年乗って、大型に乗ったのは2023年の春からなので、いま10か月くらいですね。 ――はじめて運転したときのことを覚えていますか? デカいし長いなと(笑)。そして怖かったです…というか、いまでも怖いです。地元の山口県下関市と違って東京は人も自転車も多いので、下道は常に緊張してます。 でも夢が叶ってうれしかったですね。いまも高速道路に毎回乗るたびに「大冒険が始まるぞ!」みたいな感じで(笑)。窓が大きくて車高も高いので景色に感動しますし、空や海が本当にきれいですよ。天職だなと思いながら運転しています。