ICC、イスラエル首相やハマス指導者らに逮捕状請求
イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスの戦闘を巡り、国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)は20日、イスラエルのネタニヤフ首相とハマスの指導者ハニヤ氏らが戦争犯罪に関与している疑いがあるとして、逮捕状を請求していると発表した。 【地図でチェック】半年でガザの街はこれだけ壊れた 他に逮捕状を請求されているのは、イスラエルのガラント国防相▽ハマスのガザ地区トップ、ヤヒヤ・シンワル氏▽軍事部門トップのムハンマド・デイフ氏。 ICCによると、ネタニヤフ首相らは戦争を優位に進めるため、ガザ市民の「飢餓」を利用するなどした疑いがある。ハマス側はイスラエルで民間人に対し、性的暴行などをした疑いがある。ICCのカーン主任検察官は声明で「戦争犯罪と人道に対する罪について、全員が責任を負うと信じられる合理的な根拠がある」と主張した。 ICCの発表に対し、イスラエルの戦時内閣のメンバーであるガンツ前国防相は「テロから自衛することを決めた民主主義国家の指導者と、テロ組織の指導者を同列に並べることは、正義を激しくゆがめている」と反発。ハマスも声明で「(戦争の)犠牲者と処刑者を同列に扱うものだ」と非難した。 ICCは、昨年10月にガザ地区で戦闘が始まった後、イスラエルとハマス双方について、戦争犯罪の捜査対象になるとの考えを表明していた。【エルサレム松岡大地】