【スターダム】岡田太郎社長 白川未奈の米ブレークで開けた海外進出への道「日本の市場も活性化させる」
女子プロレス「スターダム」の岡田太郎社長(36)が激動の1年を振り返る当連載。3回にわたりお届けする第2回は、今年米AEWで大活躍した白川未奈についてや、海外進出への展望を明かした。 【スターダム変革記(2)】 ――4月には米国大会を成功させた 岡田 1000人規模の会場が満員になっている姿やROH、AEWでの試合を通して、スターダムのプロレスは米国にも通じることがわかりました。その一方でレッスルマニアを見て、まだまだスターダムを成長させなきゃいけないなという気持ちになりました。 ――元々WWEのファンだった 岡田 以前の自分なら「すごい大会だ!」とか感動で終わっていたと思うんですけど、その時、世界でもっと多くの人が見るところを目指さないといけないと思いました。その時、自分が女子プロレス、そして「スターダム」の人間になったんだなって実感しましたね。命をかけて戦っている選手がお金や名誉を得られるように、もっと大きい場所で大会をやって、もっといろんな人に見つかってほしいなっていう思いが強まりました。 ――白川選手のAEWでの活躍は 岡田 始まりは3月に白川未奈選手がROHに参戦したことですね。その際トニー・カーンともあいさつしました。そこから白川選手のROHやAEW参戦がどんどん決まって、通ううちに〝ミナ・シラカワ〟の才能が米国で花開き、日本の女子レスラーの中でもかなりいいバズり方をしたんじゃないかなと思います。AEWのメインストーリーに絡みながらスターダムでも活躍するっていうのは、理想的な形だと思っていたので。 ――狙い通りだった 岡田 大谷翔平投手をはじめ、有望なプロ野球選手がメジャーリーグという、より経済規模が大きいところに行く、それすなわち日本プロ野球の衰退だと話す人がいる。プロレスも同じく、レスラーがより地位や名誉を求めて海外に行くと、とてもネガティブな意見が飛び交います。気持ちはわかります。だけど、現状維持では成長はないです。才能の交流や成長への意欲が、日本の市場も活性化させ、次のステップに上がるきっかけになると思っております。そのきっかけやチャンスをミナ・シラカワが体現してくれたと思っております。 ――今後について 岡田 白川さんは、来年の1月5日のレッスルダイナスティ(東京ドーム)ではメルセデス・モネのSTRONG女子王座に挑戦も決まりましたし、今後もそういう活躍をする選手が出てきたり、逆に向こうの選手がスターダムで活躍して上に上がって行くような関係にできたらいいですよね。
木元理珠