高校生NO.1捕手・箱山遥人(健大高崎)「“一芸に秀でている”は違う、すべてに自信がある」【ドラフト候補インタビュー】
自分に合うのは木製バット
――今年の夏では群馬大会で16打数9安打、打率.563、2本塁打、12打点と「強打の捕手」としてアピールに成功しました。その要因は? 箱山 先ほども言いましたが、やはり力感なく打てたというのが一番でした。春はあまり打てなかったんですけど、(青柳)監督さんに「春に打てなくても、やはり夏に結果を残すことが一番のアピールになる」と言われていたのが大きくて、そこに向けてしっかりと仕上げたことが大きかったと思います。 ――群馬大会準決勝の前橋育英戦の特大ホームランは、力感なく振り抜いたイメージがあります。 箱山 そうですね。力感なくヘッドを走らせることができました。自分はヘッドを使いたいタイプなんで。でも、新基準バットはヘッドが走らないんです。そこでちょっと苦労した部分はあります。 ――新基準バットは木製バットよりもヘッドが走らないんですね。 箱山 そうですね。木製バットの方が振り抜きやすいですし、自分の今までの感覚とのズレが少ないのは、やはり木製バットですね。 ――ヒットになった打球は左中間方向によく飛ぶ印象を受けるんですけど、自分のバッティングの性質上、良いものだと捉えていますか? 箱山 そうですね。まっすぐをしっかりと弾くことも得意ですし、やはり変化球を乗せて打つのも自信があります。力みなく振り抜いた結果が左中間へよく伸びているかなと思います。
守備のすべてに自信を持っている
――高卒プロというのは、いつから意識していましたか? 箱山 中学生の頃から高卒でプロに入りたいなと思ってましたけど、やはり2学年上の清水(叶人・広島)さんが高卒でプロに行く姿に憧れました。本気でやらなければと思ったのは2年秋からです。 ――下級生の時と比べると、体つきも大きくなったように感じます。やはり食事も意識しましたか? 箱山 昨年の冬は、ウエイトトレーニングと食事に力を入れて、体重を6キロ増やした状態でセンバツに入ったんです。プレー全体に力強さが出たんですけど、逆に力任せになってしまったので、ただ体を大きくするだけではダメだと思いました。腰のケガもしてしまいました。体を大きくするのが全てではないと気づいて、怪我に強い体を作らなければならないと思いました。 ――その反省を踏まえ、今はどのようにして体づくりをしていますか。 箱山 短期間で大きな体を作っていくのは自分の感覚とずれるので、どうしても故障に繋がります。毎日徐々に柔軟性も含めて強い体を作っていきたいと思います。 ――ドラフトが近づいてきましたけど、自分の強みはここだって言える部分はありますか? 箱山 守備については、「武器がある」というより「どれも自信がある」と思っています。肩が武器とかいう人はよくいるんですけど、自分はどれが武器、というのは選べない。どの分野においても自信があります。 試合に出場し続ける捕手は、一芸に秀でてるというよりも総合力が大事だと思います。これからも全体的なレベルアップをしていきたいなと思います。 ――プロの世界で目指すのは“打てるキャッチャー”ですか? 箱山 その選手像を求めています。でも信頼を得るにはまずは守備だと思います。一方でやはり試合に出続けるためには打力も求められると思います。これからもすべてのレベルアップをしていきたいです。 箱山遥人(はこやま・はると) 178センチ87キロ 右投げ右打ち 兄は聖光学院、中央学院大でプレーする箱山 直暖外野手(4年)。足立区にあるジュニアヤンガースでプレー。同期には蔵並 龍之介投手(中央学院)。江戸川中央シニアでは3番捕手で活躍、同期には森山 竜之輔内野手(健大高崎)。健大高崎では1年秋からベンチ入り、正捕手となり、主に7番打者として関東大会ベスト4入り、2年春のセンバツから4番捕手に。2年春の春季関東大会優勝、夏は群馬大会ベスト4敗退。秋の秋季関東大会ではベスト4、3年センバツで同校初の全国優勝に導く。3年春の関東大会ではベスト8、3年夏の群馬大会で9年ぶりの優勝を果たし、夏の甲子園では2回戦で智弁学園に敗退。U-18代表選出、高校通算35本塁打。