【精神科医が教える】克服できないコンプレックスとの付き合い方・ベスト1
誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります! ● コンプレックスとの付き合い方 今日はコンプレックスとの付き合い方についてお話しします。 「コンプレックス」という言葉は、精神医学的にいろいろな意味がありますが、ここでは一般的な「劣等感」に近い意味で使われるコンプレックスについてのお話をします。 多かれ少なかれ誰にでもコンプレックスはあると思いますが、そのコンプレックスとどう付き合えばいいのでしょうか。 ● どうにもならないこと まず、努力でどうにかなるものなら、それはコンプレックスではなくなっているはずです。 つまり、コンプレックスとして存在している以上は、ある意味「どうにもならないこと」だと思ったほうがいいです。 「どうにもならないこと」だと思えば、無理に頑張らなくてもいい、頑張ってもしょうがないという解釈が生まれます。 ● 無理に克服しようとしなくていい 言い換えると、コンプレックスがあるからといって、それにとらわれて無理に克服しようとしなくていいということです。 多少努力して人並みにしようとするくらいならいいかもしれません。しかし、コンプレックスを解消しようとすると、かえって泥沼にはまってしまいます。 そのコンプレックスは基本的にそのままでいいのです。 ● ほかのことに集中 私自身は、球技を中心にスポーツ全般が苦手なことにコンプレックスを感じています。しかし、それをどうにかしようとは思っていません。 「どうにもならないこと」だと思っているので、そこに頑張っても得られるものは少ないと割り切っているのです。 だからコンプレックスがあることを自覚しつつ、ほかのことに集中しているんですね。自分の得意なことを楽しみながら生きていくことで、コンプレックスはそのまま放置しておいても問題は生じません。 ● コンプレックスに意識を奪われない 真面目な人ほど、自分の苦手なことやコンプレックスをどうにか克服しようと考えがちですが、それによりコンプレックスに意識を奪われてしまうことになります。 つまり、コンプレックスのことばかり考える時間を自分でつくり出してしまうわけです。 ● コンプレックスとの最善の付き合い方 それは、かなりもったいないこと。コンプレックスはそのままにして、自分が得意でうまくいきそうなことに集中すれば、いつの間にかコンプレックスへの意識も薄れていきます。 これが、コンプレックスとの最善の付き合い方だと思います。 ※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。
精神科医 Tomy