【箱根駅伝の一番星】「チームを引っ張ってくれた4年生が笑って卒業できるように」順大・村尾雄己が主力としての自覚を持って主要区間を走る
主軸としての覚悟を持った走りを箱根路で
そして9月には日本インカレ3000mSCで優勝。初のタイトル獲得で大いに自信をつけた。この1年、村尾の変化を見続けてきた長門俊介監督は「年間を通じて頑張っていますが、日本インカレを勝ったことでまた変わりました。長い距離への対応もしっかりできていますし、箱根では重要な役目を果たすことになりそうです」と期待を寄せる。前回の箱根直後、村尾は長門監督に「次の箱根は平坦区間で戦えるように力をつけたい」と話したという。その言葉どおりの成長を遂げており、今大会の順大の鍵を握る存在と言えるだろう。 「全日本で10位とシード権を落とし、三浦さんから“来年、予選会からの参加になってしまい申し訳ない”と声をかけられました。でも自分も走っているのですから、責任は自分にもあります。これまで三浦さんなど4年生がチームを引っ張ってきてくれました。その先輩たちが笑って卒業できるように、自分も箱根ではチームを引っ張り上げる走りをして、なんとしても目標の5位に貢献したいです」 今回は主力選手としての自覚を持って挑む。その覚悟を走りで表現するつもりだ。
PROFILE むらお・ゆうき◎2003年4月20日、京都府生まれ。桂中(京都)→佐久長聖高(長野)。昨年度箱根駅伝で三大駅伝デビュー(6区17位)。今季は、トラックの3000mSCで日本インカレ優勝、学生個人選手権2位、関東インカレ3位、日本選手権10位。駅伝では、出雲2区7位、全日本4区11位。自己ベストは5000m13分58秒04(高3)、10000m28分52秒66(大2)。 文/加藤康博 写真/中野英聡、阿部卓功
陸上競技マガジン編集部