安倍首相が14日に発表 そもそも「戦後70年談話」は必要なの?
国会決議との違い
国会も重要事項について決議を採択して立法府としての見解を表明することがあります。戦後50年に際しては、村山首相の談話が発表されたのが8月15日の終戦記念日。それに先立つ6月9日に、衆議院で「歴史を教訓に平和への決意を新たにする決議」が採択されました。これは「終戦50年決議」とも、また「不戦決議」とも呼ばれることがあります。また、これは厳密には衆議院の決議ですが、通常は「国会決議」と呼ばれています。参議院においてはこれに相当する決議はありませんでした。 法的に言えば、予算、条約、首相の指名などのように憲法で「国会の議決」によることが明記されている場合を除き、「国会決議」というものはありません。すべて衆議院かあるいは参議院の決議です。内容が同じことであっても両院の別々の決議です。 憲法などに想定されていない任意の事項に関する場合、すなわち「終戦50年決議」のような場合は、厳密に言えばすべて衆議院か参議院の議決なのです。しかし、「国会の場で行なわれた決議」という意味で「国会決議」と表現することは誤りでないとみなされており、政府の文書においても「国会決議」の表現が使われることがあります。 戦後60周年の際には、やはり8月15日に小泉首相の談話が発表されるのに先立ち、衆議院で8月2日、「国連創設及びわが国の終戦・被爆60周年に当たり、更なる国際平和の構築への貢献を誓約する決議」が採択されました。これは「終戦60周年決議」と略称されています。 「決議」と「議決」は文脈に応じて使い分けられますが、意味は同じです。また、「国会決議」は全会一致で採択されることが多いですが、「終戦50年決議」「60周年決議」のように多数決で採択された場合もあります。 「国会決議」「衆議院決議」「参議院決議」の効果については、前述した予算、条約、首相の指名などのように憲法に定められている場合を除き、法的には定められていませんが、その内容についてそれぞれ国会、衆議院、参議院が責任を負います。