<衆院選2024>東京15区 選挙区内で相次いだ不祥事…4月に続き“今年2回目の衆院選”
10月27日に投開票を迎える衆議院選挙について、TOKYO MXは東京都内の注目選挙区の選挙戦をお伝えします。今回は江東区が選挙区の「東京15区」です。 東京15区には届け出順に共産党の新人・小堤東さん(35)、無所属の新人・須藤元気さん(46)、立憲民主党の前職・酒井菜摘さん(38)、自民党の新人・大空幸星さん(25)、無所属の新人・金澤結衣さん(34)の5人が立候補しました。「政治とカネ」の問題で揺らいできたこの選挙区で各候補者は何を訴えるのでしょうか。公示日=15日の各陣営の様子、主張などを中心にまとめました。 現職の衆院議員が2人続けて逮捕・起訴されて議席を失った自民党から立候補するのは、NPO法人の元理事長・大空幸星さんです。大空さんは「政治とカネの問題は重要。自民党に大変厳しい批判の声ももらっている。裏金問題に全く関係のない25歳の新人支部長の私にも、たくさんのおしかりと厳しい声を頂く。こういう声に正面から耳を傾けなければならない。しかし今回の選挙は政権選択の選挙。政治とカネの問題は重要だが、教育、福祉、外交、安全保障、年金、介護、私たちの暮らしの問題も重要。批判やきれい事だけでは社会は変えられない。私はだから自民党なんです」と公示日を迎えた事務所であいさつしました。また、自身については「若者の活躍と言っている野党でも25歳の立候補者はいない。野党は『変わらない自民党』『古い政治』と言っているが、自民党からは首相も新しくなった。過去にやった首相の再登板でもない。被選挙権ぎりぎりの25歳でも小選挙区の支部長としてチャレンジしているのは、自民党がやっていること。言葉だけ、きれい事や批判だけでなく、実際に行動をしているところを評価してもらえるような健全な選挙戦にしたい」と話しています。 自民党が候補者を立てなかった今年4月の衆院15区補欠選挙で当選したのは、立憲民主党の酒井菜摘さんです。酒井さんは「わずか半年で解散してしまって、もっと仕事がしたかったと率直に思う」といいます。その上で「しかし、相変わらず江東区は政治家による不祥事が続いていて、政治不信が高まっている。まっとうな政治を取り戻すということを真摯(しんし)に伝えていきたい」と語りました。また「(今回は自民が候補者を擁立したが、自民候補は)突然現れた候補で、どんな人物なのかと有権者も思っているだろうが、私はこの街で6年間活動してきた。自分の姿勢を訴えていくほかないと思っている」と話しました。新たな内閣組閣から間もないタイミングで解散・総選挙し、有権者が判断する間もなかったことについては「閣僚の素質なども分からないまま解散してしまった。国民無視も甚だしい」として「自民党政治を変えてほしいという声もたくさん届いている。期待に応える仕事をしていきたい」と意気込みます。 4月の衆院15区補選では立憲民主党と共闘するために出馬を取り下げた共産党の小堤東さんは「今回の総選挙に向けては、立憲民主党代表の安保法制を半ば容認していくような発言もあり、共闘の基盤が崩れている」とした上で「共闘が成立していない状況になるので、今回は一本化せずに私も出馬することになった」と、今回の出馬に至った理由を説明します。小堤さんは「本当に苦しくて大学に通うのを諦めたという学生や、長時間低賃金労働で苦しいという人もたくさんいる。いま、若い世代が自民党政治によって苦しめられている。これは自己責任ではなく、政治で変えていかなくてはいけないという思いを持って、今回の総選挙に挑戦したい」と話します。そして「まずは最低賃金1500円以上。これは大企業に大分の負担をしてもらい、中小企業支援として実現したい。同時に、長時間労働の解決のため1日7時間、週35時間労働制も実現したい」と主張しています。 4月の衆院15区補選で次点となった無所属の須藤元気さんは前回と同様「カネのかからない選挙」を掲げ、今回も地元である江東区を自転車で回る選挙戦を展開します。須藤さんは「自転車で走っていても手を振ってくれる数も変わってきた。多くの人が『頑張ってね』『次、応援するから』と言ってくれて本当にありがたい。区民の人たちがすごく声をかけてくれるのでうれしい」と語ります。そして、選挙戦では「無所属だからこそ今の政治を変えられる」と訴えます。須藤さんは「社会保険料と税金だけが上がり続け、低所得者層だけでなく中間層も厳しくなっているのが現状。それに終止符を打たなければならない。だから無所属。私が無所属で勝つことで政界再編のきっかけを作れると思う」と力を込めます。また「派閥や政党政治を乗り越えて、国民の方を向いた政治を行わなければいけない。新しい政治の枠組みを作らないといけない。政治に関わってもしょうがないという諦めの心を捨てて、私、須藤元気と一緒に立ち上がってほしい」と呼びかけます。 元会社員の金澤結衣さんはこれまで所属していた日本維新の会を離党し、今回は無所属として挑みます。金澤さんは「既存政党の政治とカネの問題に憤りを感じ、政治改革を掲げて無所属で出馬することを決意した。私たちは1円単位で領収書を添付している。政治資金の10年後の領収書の公開をはじめとする私たちの税金の使い道を決める立場でありながら、税金の使い道を明言できないというのは国民の理解を到底得られるものではない」と演説しました。今回、無所属での立候補を決めたことについて周りの反応や自身の心境について聞くと「周りの反応は想像以上によかった。もっと反対を受けるかと思ったが、ポスターを貼ってくれる場所が増えたり、呼ばれる集会が増えた。日頃の活動を見てくれている人がいた。やはり、既存政党であることがちょっと足かせになっていたところもあったんだと思った」と語りました。そして、今回の選挙戦については「私が一番、地域で活動しているのは間違いない。江東区に懸ける熱量、選挙区内を歩いてきた量は一番だと思っている。今までやってきたことを信じて、あとは突き抜ける」と意気込みを語りました。 ■衆院選・東京15区(江東区)立候補者(届け出順・敬称略) 小堤東(35)共産・新 須藤元気(46)無所属・新 酒井菜摘(38)立民・前 大空幸星(25)自民・新 金澤結衣(34)無所属・新 (※TOKYO MX『堀潤 Live Junction』2024年10月15日放送)