【専門家選出の歴代世界最強GK】「ふたりのどちらかに落ち着く」→「彼はモノが違う」その結論になぜ行き着いたか
「動けないはずの体勢から動けたり…」
歴代世界最強GKは誰か? 正直、難題である。ただ、それを承知で元JFA・GKコーチの田口哲雄氏に答を求めてみた。すると、田口氏も「それこそレフ・ヤシンで始まっちゃいますからね。ゼップ・マイヤーとかディノ・ゾフとか、トニー・シューマッハーとか、候補者を挙げていけばキリがありません」と述べたうえで、「それでも」と続けた。 【動画】日本歴代最強&世界歴代最強GK 「ジャンルイジ・ブッフォンとマヌエル・ノイアーのどちらかに落ち着くのかなと考えています」 これももちろん個人の見解である。田口氏は言葉を継ぐ。 「昔のサッカーを好きな人はあまり認めないと思いますが、キーパーは進化しています。なので、最新がベストとは言いませんけど、サッカーそのもののプレースピードは間違いなく速くなっています。その中でキーパーに求められる役割も増えてきていて、この20年ぐらいを見ると、やはりブッフォンとノイアーかなと」 全盛期のブッフォンの凄さは「変態的に速い」ところ。「2006年のワールドカップ、ドイツとの試合でポドルスキに至近距離から打たれたシュートも触っている」「フランスとの決勝でジダンのヘッドを片手で防いだ」と証言した田口氏の感覚は「その距離でも反応するんだ」だった。 「ブッフォンは股関節、足、膝の関節が柔らかい。動けないはずの体勢から動けたりするので。出場試合数(セリエAで657試合、イタリア代表で176試合)を見てもケチのつけようがありません」 一方、「キーパーのプレースタイルを革命的に変えた」と言われるノイアーだが、田口氏に言わせれば「キーパー本来のゴールを守るという仕事についても、とにかく“速い”」。 「僕も目の前で何度も見ていますが、あのサイズ(193センチ)で、これだけ速いのかよと。ちょっとずるいです。80年代、90年代は190センチ以上あるキーパーは動けないイメージがありました。その点でノイアーは次元が違うし、1対1になった時にどっしりと構えたうえで打たせて、そこから反応できる凄さがある。あと、ノイアーがサッカーボールを2メートルぐらいの高さでビシッとハーフウェイラインまで投げた時は、『彼はモノが違う』って思いました」 簡単に言えば、全盛期のノイアーは「現代のキーパーに求められる資質を全て最高レベルで備えていた」(田口氏)。 全盛期のブッフォンとノイアー、田口氏が監督ならどちらを起用するか。そう訊くと即座に「ノイアー」と答が返ってきた。その理由は「ノイアーのほうがボールを持った時の選択肢が多い」からだった。 もちろん、ノイアーやブッフォンの他にも素晴らしいGKはいる。クラウディオ・タファレル(元ブラジル代表)、ボド・イルクナー(元ドイツ代表)、ピーター・シルトン(元イングランド代表)、イケル・カシージャス(元スペイン代表)…。あなたが推す世界最強GKは? 構成●サッカーダイジェストTV編集部
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