ギャルでオタクでコスプレ大好き…永瀬莉子、ドラマ『着せ恋』で新境地「別人になりきって」
『Seventeen』初舞台で広瀬すずを見送って6年「人に頼られるように」
――ここからは、これまでのご自身の歩みについて伺います。俳優業の中で、忘れられない出会いはありますか。 「4年前にドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』に出演した時、Ⅰ型糖尿病患者の女の子を演じました。主人公の石原さとみさんの薬剤師さんに励まされ、背中を預けて泣く場面があったのですが、どうしてもしっくりくるお芝居ができませんでした。『もう1回やらせてもらえませんか』と監督にお願いしたら、石原さんも『納得できるまで一緒にやろうね』と声をかけてくれました」 ――ベストな演技ができるまで、背中を押してくれたんですね。 「緊張していましたし、病気の彼女が薬剤師さんにもどかしさをぶつける場面でした。まだ感情を吐き出すお芝居がつかめていなかったところに石原さんが支えてくれたので、救われた思いがありました」 ――2018年にファッション雑誌『Seventeen』でデビューした同期には出口夏希さんらがいます。 「出口夏希ちゃんとはすごく仲良しです。出演作もチェックしていますし、近況を報告し合って一緒にご飯にも行きます」 ――お披露目がイベント「Seventeen 夏の学園祭2018」で、広瀬すずさんが『Seventeen』を卒業した最後のステージでした。 「その時、広瀬さんはすでに6年も専属で活躍されていて、まぶしかったです。私は初めての大舞台で、先輩モデルの皆さんとも初めての現場でした。自覚が芽生えたとともに『私も先輩方のようにずっと愛されるモデルになれるかな』と思っていました」 ――それから6年を経て、今夏に『Seventeen』専属モデルを卒業しました。 「先輩方もスタッフさんも優しくて、いつも家族のように見守ってくださる場所でしたが、卒業を伝えた時は残念がってくださって。ただ、最後は『頑張って』と背中を押して送り出していただいたおかげで、私自身『もっとチャレンジしていこう』とポジティブになれました」 ――6年間で、成長したと思うことは。 「人に頼られることが増えました。後輩が増えていき、彼女たちといろいろと話がしたくて積極的に話しかけていきました。だから『Seventeen』の現場では編集部さんも私のことを信頼してくださったのかなと思います。今作でも、五条くん役の野村康太さんらと他愛のない話でも笑い合っていました」 ――今作で正統派ラブコメのヒロインを演じて、さらに役柄が広がりました。今後の俳優業への抱負は。 「『同じ人がやっていたんだ』と驚かれるように、振り幅広く作品に出演していきたいです。目標に縛られすぎず、これからも皆さんに応援していただけるよう頑張ります!」 取材メモ:「ミスセブンティーン2018」は、永瀬の同期に出口夏希、桜田ひよりら今をトキメク若手注目株がそろう。永瀬は初めてのドラマ『ココア』(2019年/フジテレビ)でクラスで孤立している高校生を演じ、その後も『17.3 about a sex』(2020年/ABEMA)では性体験に踏み込む真面目な少女を丁寧に演じた。さらに、『夫を社会的に抹殺する5つの方法』(2023年/テレビ東京)ではYouTuber、『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』(2023年/Lemino)では、お嬢様学校のゲーマーなど多彩な役を好演してきた。役を演じる度にイメージが変わり、取材中もころころと動く瞳に目力が宿ったことが印象的だった。プライべートでは韓国ドラマやゲームの『桃太郎電鉄』を愛する22歳。キラキラの笑顔でも繊細な演技でも、ますます人々を魅了してくれるだろう。 □永瀬莉子(ながせ・りこ)2002年8月13日、広島県生まれ。18年にオーディション「ミスセブンティーン2018」に合格し同誌専属モデルに。19年にフジテレビ系『ココア』でドラマ初出演。23年は映画『君は放課後インソムニア』、テレビ東京系『夫を社会的に抹殺する5つの方法』などに出演したほか、日本テレビ系『春は短し恋せよ男子』で地上波ドラマ初ヒロイン。今年は、フジテレビ系『Re:リベンジ-欲望の果てに-』、テレビ朝日系『東京タワー』『素晴らしき哉、先生!』などに出演。『Seventeen』2024年夏号をもって同雑誌の専属モデルを卒業した。162センチ。
大宮高史