フラッド×金属バットによる“日本で一番ワケの分からない夜” 『KINZOKU Bat NIGHT』オフィシャルレポート
そこから大雨の日の田んぼの話から海に流されて人魚に助けられた漫才へ。魚たちとの海のゲーム・南港ニュートラム・ATCといったキラーワードから、「最後のネタになります」と次のネタへいこうとする。観客から「え~!?」と声があがるも、畳みかけるかの様に、大阪交通安全カルタという超キラーワードが炸裂するネタへ。何度も書いている素敵なシチュエーションを経て、floodこの日3度目のライブ。 金属バットのネタが次の新たな段階へといっていると話して、新曲「キャンドルソング」へ。とにかく金属バットの漫才からライブへいく流れが無駄一切無く削ぎ落されて、その上で研ぎ澄まされている。 「好きなものを集めているんですよ。金属バットとか、奈良美智さんとか」 何も難しい言葉はいらない、結局やりたい事をやり貫いているだけ。我がままだと佐々木は言ったが、その我がままは何も間違えてないし、立派な生き様である。 「8月12日日比谷野外音楽堂に全てを賭けますから来てください」 そして、「俺の夢を叶えるやつは俺しかいない 俺は行く いつもの道を Rock ‘n’ Roll」と歌い出して、「月夜の道を俺が行く」へ。凄いスピードで駆け抜けていくロックンロール……。ラストナンバーは「本気で生きているのなら」……、これ以上、何を言う事があるだろうが……。無論、アンコールの拍手は鳴りやまない。そして、再登場したのは、まさかの金属バット! 友保はお茶割りをぐいっと呑み、アンプの上へ置く。小林も「俺らでいいんか?!」と困惑している。CMをネタにした短めの漫才をコンパクトながらも、とてつもないインパクトを与えて披露していく。金属バットが袖にはけて、floodが再登場して、佐々木は今日万が一アンコールがあったら、半分は金属バットだと考えていたので、短いネタがあるかを確認していたという。 「“じゃあ、また、いつかやります”とか、そういう事は言わないです。あるかわからないし。ただ、まぁ、俺がフラれなければ! 死ななければ、みんなが」 そう言って歌われた「ゴールド・ディガーズ」は決意表明の様だった。アンコールラストナンバーは、オープニングナンバーと同じく「KINZOKU Bat」。同じ曲なのに、最初と最後に聴くと、聴こえ方が違う。熱情の込め具合は同じだが、飛び散り方が違うというか……。 「ハートがばらばらに散らばっても やるしかないんだから ぶちのめしていけ ぶちのめしていけ」 この歌詞が頭にこびりついて離れない。やるかやられるかという凄みありすぎる対バンを魅せつけられた……。 「金属バットに東京で単独公演をやれって、みんなで言ってもいいんじゃない?」 最後まで佐々木はクールで、そう言い残して去っていった。観た人間全て余韻が冷めない夜……。 取材・文:鈴木淳史 <配信情報> 『KINZOKU Bat NIGHT at 東京キネマ俱楽部』 アーカイブ期間:3月24日(日) 23:59まで 販売期間:3月24日(日) 21:00まで