もち麦は第二次ブームへ 「中食・外食」「ボディメイク」で再脚光
もち麦はコンビニや飲食店、宅配デリバリーによる新規ユーザーの開拓が進んだことに加え、筋トレ系インフルエンサーがボディメイク食として紹介したことでブームが再燃している。中食・外食では、もち麦の保水性(美味しさ)が評価され、おにぎりや弁当などのメニュー開発が加速。最終製品では、ご飯にとどまらない商品開発が進み、もち麦使用のバーや冷凍弁当、パスタ、ハンバーグ、栄養調整食品などが発売された。 ■コンビニ大手3社が採用 もち麦の保水効果に注目 業務用もち麦は、コンビニや飲食店、宅配デリバリー需要が伸長している。はくばくによると、「冷めても美味しく食べられる点が評価され、飲食店でも採用されるようになった。23年のもち麦出荷金額は、21年比135%増で推移した」という。 コンビニチャネルでは今年1月、ファミリーマートがもち麦入りおにぎり2品(「もっちりしたもち麦入り しらす」「三陸産わかめむすび」)を上市した。もち麦商品はローソン、セブンイレブンに続く展開。コンビニチャネルはおにぎりや弁当などの商品化が加速している。 採用背景は、もち麦の保水効果によるパサつき抑制が評価されたことにある。もち麦は網目状の構造をもつアミロペクチン(デンプン)が含まれ、保水性を高める性質が。もち麦と精白米を比較した離水試験(5℃・3日間)では、もち麦が精白米より高い水分保持状態を示すデータが発表された。このほか、2日間冷蔵保存したもち麦と精白米を比較した官能評価試験では、もち麦はぼそぼそ感軽減が確認されたとしている。 ■バー、パスタ、クリームサンドなど もち麦商品の裾野拡大 もち麦商品のバリエーションが広がっている。バータイプでは、「もち麦満足バー」(UHA味覚糖)が登場。もち麦を約60%、十六雑穀を約20%使用しており、糖質オフなどを特徴としている。 機能性表示食品では冷凍弁当での商品化が。「もち麦ワンディッシュ」(ニチレイ)は、食物繊維を手軽に摂取できることを訴求している。 適正糖質をコンセプトとするSUNAOブランドからは、「SUNAOもっちりパスタ」(江崎グリコ)が登場。糖質60%オフをうたっている。 ハンバーグはプラントベース食品の「大麦ともち麦からつくったハンバーグ」(トップバリュ)が上市された。食物繊維と低カロリーを訴求している。もち麦入りの栄養調整食品では「クリーム玄米ブラン もち麦入り」(アサヒグループ食品)も販売されている。 ■もち麦、ボディメイクで注目 調査会社のインテージが発表した23年4~9月の家庭用市場規模(GMS ・ SM ・ DRUG ・ CVS対象)によると、米関連はもち麦ブーム前の2015年比で、約1.6倍の80億円となった。カテゴリ別では精麦が前年比101.2%増、ミックス雑穀が前年比109.9%増で伸長した。ここ数年の値上げによる買い控えの動きもみられなかった。 もち麦は、30~40代の男性ユーザーも新たに獲得した。筋トレ系YouTuberなどがボディメイクの観点からもち麦を紹介。フィットネスジム利用層にも浸透した。30代購入比率は3.1%(18年)から5.3%に。40代購入比率は3.3%(18年)から6.2%(22年)と約2倍に伸長している。