愛子さま、まだ単独公務の予定なし ほかの皇族に比べて遅いデビュー、その本当の理由は?
さらに、昭和天皇の容体が急変した直後の同年10月には、皇太子ご夫妻時代の上皇ご夫妻に代わって「全国豊かな海づくり大会」に出席。茨城県大洗町での式典で「お言葉」を代読し、公務の経験を増やしていった。 ▽理由は学業優先? こうしてみると、愛子さまの単独公務デビューは確かに遅い。 考えられる理由の一つは、昨年3月、愛子さまが成年に際して開かれた記者会見でのこの発言だ。 「まだ大学生ですので、当面は学業を優先させていただきながらにはなりますが、一つ一つのお務めを大切にしながら、少しでも両陛下のお力になれますよう、できる限り、精いっぱい務めさせていただきたいと考えております」 宮内庁関係者によると、両陛下と愛子さまは学業優先の意識が強く、卒業後の進路も決まっていないため、いつどんな公務をするかは未定だという。 これに対し、公務の遅れについて少し違った見方をする識者もいる。 名古屋大大学院の河西秀哉准教授は「学業優先という宮内庁の公式見解は確かにその通りだと思いますが」と断った上で、こんな見方を語った。
「将来の皇位継承者である秋篠宮家の長男悠仁さまの手前、愛子さまだけが〝目立ちすぎる〟ことを両陛下が心配しているのではないか」 国民的に人気の高い愛子さまが単独公務でさらに注目を集めれば、女性・女系天皇待望論が再燃し、悠仁さまの立場にも影響しかねないとの懸念だ。そうした事態を天皇家側が回避しようとしているというのは、ありそうな筋書きと言えそうだ。 静岡福祉大の小田部雄次名誉教授の見方も同じ。 「愛子さまの公務は、非常に難しい問題。結局のところ、皇位継承問題が決着しないと、単独の公務はつきにくいと思う」 その上で両陛下の心情について「愛子さまが前に出てしまうと、天皇家として女性天皇を支持しているとも取られかねない。そうしたことも心配しているのではないか」と推察する。 極めて慎重な性格とされる両陛下。最初の単独公務にどんなテーマを選ぶかで、愛子さまの「カラー」が決まってくる可能性もある。人気が高く、天皇家の長女という重い立場であればこそ、デビューにふさわしく、愛子さまらしい公務の選定には時間をかけることになりそうだ。