土木が原風景となる時(6)大地に刻まれたクロソイド曲線「圏央道 高尾山IC」
国土交通省関東地方整備局の公式サイトによると、圏央道がすべて開通するのは2024年度の予定。その目論見通りに進めば、当初の計画から60年以上の歳月を経て、ようやく東名高速・中央道・関越道などを繋ぐこの首都圏の大環状が完成することになる。首都圏3環状9放射ネットワークの一翼を担う道路インフラが今後100年のレベルで供用され、同時に当地の原風景として末永く愛されることを願う。
■施設データ:首都圏中央連絡自動車道(通称:圏央道)高尾山インターチェンジ ・所在地:東京都八王子市 ・高尾山IC~相模原愛川IC間(14.8キロメートル、4車線) ・開通:2014年(平成26年)6月28日 著者プロフィール 吉川弘道(よしかわひろみち)1975年早稲田大学理工学部卒。工学博士(東京大学)、技術士(建設部門)。米コロラド大学客員教授、東京都市大学教授を経て、現在、東京都市大学名誉教授。専門は、耐震設計、地震リスク。土木学会論文賞など多くの受賞歴がある。現在、インフラツーリズム推進会議議長を務めるほか、投稿サイト「土木ウォッチング」やFacebookページ「Discover Doboku」を主宰。著書は「鉄筋コンクリート構造物の耐震設計と地震リスク解析」(丸善)など7冊を上梓。