50歳会社員、貯金ゼロです。定年した元上司は「貯金ゼロでも暮らせる」と言うのですが、いまさら焦ってきました。今から貯金しても間に合いますか?
老後に向けてお金を残していく
老後の生活費を見直し、定年後も働くことで暮らしていけるかもしれませんが、急な出費や、体調によっては働くことができなくなることもあるでしょう。50歳の今から、老後に向けてお金を残していく(貯める)と安心です。 お金を貯めるには、強制的にお金を積み立てる仕組みを作ります。給与の振込口座から、自動で別口座にお金を積み立てていきます。積立する方法は、ふだん使わない口座に移動させる、定期預金にする、NISAやiDeCoを活用するなどがあります。 預貯金で積立するよりも、投資をしたほうが効率がよいかもしれませんが、まずは毎月一定額を貯める仕組みを作ることが重要です。生活費が残ったら貯めるではなく、生活費を使う前に貯めることを習慣づけます。 次の段階で、NISAなどを使った投資も検討していきましょう。50歳のAさんが65歳まで働くとすると、積立期間は15年、180ヶ月です。毎月2万ずつ積立貯金をする場合、金利0%だと360万円です。より多く残すには、毎月の金額を増やすか、金利を高めるかです。
豊かな老後に向けて一番大切なこと
豊かな老後を送るために、実は一番大切なことは夫婦円満です。夫が定年を迎えたことを機に離婚する夫婦がいることをご存じでしょうか。定年離婚となれば、退職金は財産分与の対象となり、年金は分割されます。夫婦2人の生活が、1人ずつになると生活費は半分になるわけではありません。定年離婚は、夫婦ともに経済的に苦しくなります。 お金のために夫婦円満で、というわけではありません。1人で食べるごはんよりも、2人で食べるごはんのほうがおいしく感じられるのではないでしょうか。豊かな老後は、金銭的な豊かさだけではありません。縁があって一緒になった2人です。お互いを尊重し、協力しあって、より豊かな老後を送りたいものです。 出典 総務省統計局 労働力調査(基本集計) 2023年(令和5年)平均結果 執筆者:正田きよ子 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
ファイナンシャルフィールド編集部