医療費無料、中学生は村負担で海外留学…「一人あたりのふるさと納税寄付金が全国1位」村の驚きの政策
2年に1度、中学2、3年生全員を「海外留学」に
’22年度の自治体住民一人あたりの「ふるさと納税」獲得寄付金額第1位は、和歌山県北山村。その額210万1588円(総務省「令和4年度ふるさと納税に関する現況調査」の結果を、ふるさと納税総合研究所が分析)。2位の北海道白糠町の166万945円を大きく引き離しての第1位だ。 【画像】これは欲しい…!一人あたりの「ふるさと納税」寄付金額1位の村の「返礼品」とは… 「’22年度の寄付額は約9億6000万円、ふるさと納税の寄付額としては、全国238位、和歌山県内でも6位です。一人当たりの額が大きいのは、村の人口が少ないからです」 と言うのは、北山村役場でふるさと納税担当の中田英博さん。 北山村の人口は10月末現在で395人。 奈良県と三重県に囲まれた全国唯一の「飛び地」北山村。東西20㎞、南北8㎞の小さな村だ。97%が山林で、「現代の秘境」とテレビ番組で紹介されたこともあるという。 ふるさと納税額が全国一なのは都城市で’22年度は195億9300万円。しかし、人口が約16万人のため、一人当たりに換算すると12万円強だ。 北山村のふるさと納税の返礼品には、どのようなものが用意されているのか? 「北山村特産の“じゃばら”製品が中心となっています」(中田英博さん・以下同) じゃばらというのは、北山村にたった1本だけ自生していた柑橘類の1種で、果実に含まれるフラボノイドは花粉症の症状改善に効果があるといわれている。 ◆村の年間予算を超える額になったことも…18歳まで医療費、小中学校の給食費、保育料も無料 ある新聞では「小さな村には分不相応な額。ためておくだけではもったいないとの認識がある」と書かれたが、 「当村では、『総合戦略』と長期計画を立て、ふるさと納税を生かしています」 ふるさと納税がスタートしたのは’08年。そのころ北山村は65歳以上が50%を超え(’10年国勢調査)、住民税も年々減る一方で財政難にあえいでいたとか。 そんな北山村を救ったのが、ふるさと納税。’17年には14億円を超えたというから、すごい。 「北山村の年間予算を超える額なので、びっくりしました」