『紅白歌合戦』落選からの返り咲き…女性アイドル界のジンクスを覆した“櫻坂46”の凄さ
今年の大晦日に放送される『第74回NHK紅白歌合戦』の出演者リストを見てみると、櫻坂46の名前が確認できる。多くの人々にとっては何でもないことのように思えるかもしれないが、実は彼女たちの出場は、ある意味では“奇跡”と言っても過言ではない。 【関連写真】『櫻坂46 3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE』ライブ写真【40点】 というのも、これまで『紅白』に出た歴代の女性アイドルグループにおいて、一度連続出場が途絶えて再び起用されたケースはほとんどないからだ。 例えばモーニング娘。は1998年に『紅白』に初出演し、2007年まで10回連続出場を果たしていたが、それ以降はぱったり出なくなってしまった。ももいろクローバーZも2012年、2013年、2014年と出場したものの、その後は選出されていない。 例外があるとすればAKB48くらいで、2007年に『会いたかった』を引っ提げて『紅白』デビュー。その後1年空けて2009年に再び『紅白』に登場し、この年から11年連続で出場している。恐らく『会いたかった』でメジャーデビューしてから、本格的に人気が出始めたのが2009年あたりからなので、このような形に至ったのだろう。しかしそんなAKB48も、2019年を最後にすっかり出演しなくなった。 こういった経緯もあり、いつしかファンの間で「女性のアイドルグループは『紅白』に一度落選したら再出演するのが難しい」というジンクスが広がっていたのだが、それを見事に打ち破いてみせたのが櫻坂46。彼女たちは昨年の『紅白』で一度落選を経験していながら、今回再び出場の切符を掴んでいる。 過去の前例を踏まえると、これはなかなかすごいことではないだろうか。思い返せば今年の櫻坂46の活躍は、『紅白』再出場という偉業にも納得せざるを得ないほど目覚ましいものだった。
櫻坂46が直面した困難の数々
そもそも櫻坂46がどういうグループなのかというと、当初は欅坂46という名前で“坂道シリーズ”の第2弾としてデビューしたグループだった。そして平手友梨奈や長濱ねるといった、圧倒的な個性を持つアイドルを輩出。第1弾の乃木坂46が正統派だったとするならば、欅坂46は別路線の個性派アイドルグループとして人気を集めていた印象だ。 紅白も2016年から4年連続出場。だが、2020年1月、平手友梨奈がグループを脱退することを発表。グループは10月のライブをもって欅坂46としての活動を休止。“櫻坂46”に名を改め活動を開始し、今日に至る。 だが、改名してからの活動は順風満帆なだけでなかった。前身グループ欅坂46があまりにも世間に強い印象を残したため、改名当初は比較論も目についた。また、コロナ禍の影響で長らく有観客ライブが開催できなかったこともあり、アイドル界全体が落ち着いてしまった。 しかしそんな苦しい状況下にあっても、櫻坂46は確かに返り咲いた。それも女性アイドルグループのジンクスを覆すという最高の形で……。 今年10月には7thシングル『承認欲求』をリリースし、グループ史上最高となる初週売上45.0万枚(オリコン調べ)を記録。まだ今年の『紅白』のセットリストは発表されていないが、恐らく『承認欲求』のヒットが出場の決め手となったのだろう。 『紅白』の舞台ではいったいどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、放送当日が楽しみでならない。
キットゥン希美