100年以上前に病死したフランス兵の墓が福井県に…今も管理続ける住民有志に仏海軍艦長ら感銘
フランス海軍の艦長ら一行が11月6日、福井県敦賀市松島町2丁目の来迎寺野墓にあるフランス兵墓地を訪れた。墓は敦賀ロータリークラブ(RC)が清掃と慰霊を続けており、一行は長年の管理に感謝すると同時に、明治時代に敦賀沖を航行中に艦内で病死した2人の霊を慰めた。 同国海軍のフリゲート艦プレリアルは5日に京都府舞鶴市に任務で寄港した。慰霊式には、アレクシ・ゴルニッシュ艦長や在京都フランス総領事のサンドリン・ムシェさん、フランス大使館武官のジェローム・シャルドンさんをはじめ、京都市のフランス人学校「京都国際フランス学園」の生徒ら約70人が参列した。 敦賀RCの西村弘会長は、今年8月に64回目の慰霊式を行ったことに触れ、「今後も引き続きお墓を守り、慰霊に努めたい」とあいさつした。参列者は墓前に献花した。 艦長は「祖国から遠く離れた地で亡くなった水兵の墓を維持管理していることに感銘を受けている。航海の環境はだいぶ変わり、同じような悲劇は現代では起こらない。日仏は長い歴史をともに有し、文化面でもさまざまな共通点がある」と今後の友好に期待した。一行はこの後、市資料館「人道の港敦賀ムゼウム」を訪れた。 1894年にフランス東洋艦隊のイヴ・グレモ砲兵長、1911年にはゴニデック2等水兵が病死し、仏政府の依頼で旧敦賀町が16年に墓を建立した。同RCは60年から毎年、慰霊法要を続けている。