年金15万円・75歳母「あなたには、親を看る責任があるのよ!?」高齢者施設を脱走後、娘に説教も「もうムリ、ごめんね」…施設入所を巡る激しい攻防
高齢者の終の棲家である「老人ホーム」だが、だれもがスムーズに入居に至るわけではなく、また「入居=安泰」とはいいきれない。昨今の複雑な事情を見ていく。 【早見表】国民年金・厚生年金「年金受取額」分布…みんな、いくら年金をもらっているのか?
介護されるなら、誰に?…「子」を挙げる人は10.7%
人間、だれもが年を取る。個人差はあるが、若いころと比較すれば身体機能は著しく衰えていき、介護が必要になるケースも多い。 朝日生命『自分の老後・介護についての意識調査』によると、「将来介護が必要な状態になると思うか」の問いに「思う」「少し思う」と回答した人は、合計で約7割だった。 そして「介護が必要になったときに不安に思うことは」の問いの最多の回答は「介護費用をまかなうための資金が不足すること 」が62.2%。「家族・親族に肉体的・精神的な負担をかけること」55.1%、「公的介護保険の内容だけでは支援として不十分なこと」49.1%、「家族・親族に経済的な負担をかけること」 45.8%、「介護してくれる人が身近にいないこと」45.2%、「介護がいつまで続くかわからないこと」44.9%となっている。 懸念事項は主に「お金」と「介護者への負担」が大きいようだ。 続いて「介護されるなら、誰にしてもらいたいか」の問いだが、最多は「その他の第3者」で37.4%。「夫または妻」22.1%、「子」10.7%と続く。年齢が高い層のほうが「第3者」を選ぶケースが多く、60代前半では40.8%となっている。 さらに「介護生活に望ましいカタチ」を聞いたところ、「介護施設に入居する」が56.7%でトップとなっている。以降、「在宅で家族に介護してもらう」21.9%、「在宅で家族以外に介護してもらう」が19.0%と続く。 要支援・要介護者の割合だが、60代後半で2.0%、70代前半で5.8%にとどまっているものの、70代後半では11.8%が要支援・要介護者となっている。80代前半になれば、26.0%と4人に1人、85歳以上では59.5%と、2人に1人の割合だ。 これを見れば、だれにとっても介護は「自分ごと」なのである。