女性にうれしいマグネシウムの健康メリットを栄養士が解説
※この記事は、海外のサイト『Prevention』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
マグネシウムと言えば、なんとなく知っているけれど、具体的にどんな働きをするのか、女性にどんな効果があるのか、詳細についてはよく知らない栄養素の一つ。米国立衛生研究所(NIH)によると、マグネシウムは体内に豊富にあるミネラルで、多くの食品に天然に含まれるうえ、サプリとしても手に入りやすい。筋肉や神経の機能、血糖値の制御、血圧を含む、体内のさまざまな反応を調節する300種類以上の酵素系の補因子(プロセスの一部として必要なもの)でもある。
マグネシウムは、体内のエネルギー生産、骨の発達、さらにDNAとRNAの合成において重要な役割を果たしている。「マグネシウムは、さまざまな体のプロセスに不可欠なものです」と話すのは、『ザ・リトルブック・オブ・ゲームチェンジャーズ』の著者で登録栄養士のジェシカ・コーディングさん。登録栄養士で「キートリー・メディカル・ニュートリション・セラピー」の共同経営者でもあるスコット・キートリーさんもこれに同意。「マグネシウムは、私たちの体内でいろいろな働きをするヘルパーのようなものです」と彼は語る。
このように多様な働きをするいっぽうで、多くの人が十分な量を摂取できていないマグネシウム。 「多くの国民栄養調査で、アメリカの48%もの人々がマグネシウムの一日あたりの推奨摂取量を下回っていることが分かっています」と、ラトガース大学保健専門学科で臨床予防栄養学科の准教授として活躍するデボラ・コーエンさんは話している。 では、マグネシウムのおもな健康メリットって何? マグネシウムをサプリで摂取する場合に注意することとは? 栄養士に説明してもらった。
マグネシウムの長所
体内で多くの働きをするマグネシウムだけど、とくに注目に値するものは次の通り。 ・血糖値の管理に役立つ 「マグネシウムは体の糖分処理に一役買っています。また血糖値の制御ホルモンであるインスリンの働きを助けます」とキートリーさんは話す。彼女いわく、体内に十分なマグネシウムがあるとインスリンの働きが良くなり、血糖値をより効果的に管理できるそう。 ・ストレスマネージメントに役立つ ストレスを受けると体は通常より多くのマグネシウムを使用する可能性があり、マグネシウムを使ってそのほかの作業を行う能力が制限される恐れがあります、とキートリーさん。「さらに、マグネシウムはコルチゾールなどのストレスホルモンの放出を減らすのに役立ちます。マグネシウムは、体のストレス反応の抑制に役立つ天然の鎮静剤のようなものです」 ・不安やうつ病に役立つ 脳の機能と気分の調節にも役立つというマグネシウム。「気分や感情に影響を与える脳の中の化学物質である神経伝達物質の放出と使用における役割を担っています」とキートリーさんは説明する。「十分なマグネシウムを摂取することで、不安や悲しみが薄らぐ人がいるのはこの理由によるかもしれません」