【ドラフト家庭の事情】楽天1位・宗山塁 父子の二人三脚《一日も欠かさず》9年間…「私がしんどくても、容赦してくれなかった」
「単純なことを継続してできるかどうか。これが一番簡単そうで難しい」
「それがどう野球につながるのか分からないけど、やって損はないかなと。食事以外は基本、全部右。右でちゃんと箸が持てるようになったので、親のしつけは終わりかなと思って左に替えさせました。マスターするのに3カ月かかりました」 母の香代さん(54)や長女で姉の楓さん(24)はスポーツに縁がなく、週末は男女に分かれての行動が多かった。 自宅は2世帯住宅。ともに父方の祖父・正規さん(76)、祖母・順子さん(74)と暮らす。食事の担当は祖母だ。 「私が結婚したときからずっと作ってもらっています。だから(塁にとっては)『おふくろの味』ではなく、『おばあちゃんの味』ですね。高校までは何でもかんでも食べていたのに、大学に入ったら『揚げ物はダメ、砂糖もダメ』と言うように。ケガをせず、一日でも長く野球を続けるために意識しているのでしょう」 練習も食事管理も、毎日の積み重ねが大切。 「積み重ねることでいつか花開くときが来る。私も、その意識は常に持っています。親として特別なことは何もしていませんが、単純なことを継続してできるかどうか。これが一番簡単そうで難しい。習慣化さえすれば、あとはほっといても自分で考えるようになる。あとは、いちいち口出しをしないことは意識しました。我慢するのは難しいですけどね。子供が失敗しそうなとき、ついつい声をかけたくなりますが、あえて失敗させました。失敗も勉強です。宿題で分からんところがあっても『分からんまま持って行きなさい』と。授業で聞いてなかったら自分の責任。勉強を教えるのは親の仕事じゃないよと」