伝統野菜を「大衆野菜」に 多品種集め初の販売イベント 9月7日【長野県】
長野県飯田下伊那地域に残る伝統野菜の継承や発信に取り組む南信州伝統野菜協議会は9月7日、伝統野菜を集めた販売イベント「南信州ファーマーズマーケット」を飯田市鼎一色のイオン飯田アップルロード店で初開催する。 協議会は伝統野菜の品種の枠を超えて、情報発信や販路拡大に取り組む組織として4月に設立し、生産者組合など6団体で構成する。 伝統野菜の継承に向け、まず地域の人に広く知ってもらい食べてもらう機会をつくりたいと、販売イベントを初めて企画した。「南信州の伝統野菜を大衆野菜に」をテーマとする。 今回は天龍村のていざなすと十久保南蛮、平谷村の平谷いも、喬木村の志げ子なす、阿智村清内路の清内路かぼちゃと清内路にんにくが集合。伝統野菜や地場野菜をはじめ、弁当やサンドイッチなど伝統野菜を用いた加工品も販売する。 地域の飲食店で出店し、伝統野菜を具材に使ったおむすびやアイス、焼きうどんや唐揚げなどを当日限定で販売する。協議会は「飲食店と伝統野菜のコラボが広がるきっかけにしたい」とする。 イベントには天龍村で伝統野菜の商品開発に取り組んでいる東京農業大学の学生や、協議会と連携して伝統野菜を栽培している下伊那農業高校の生徒も参加する。売り子を担うとともにブースで伝統野菜を紹介し、考案した調理品も出品する予定だ。 会場は同店南側駐車場の特設ブースで、時間は午前10時から午後4時まで。協議会の会長で天龍村のていざなす生産者組合の板倉貴樹組合長は「生産者が自ら作り上げる伝統野菜イベントは初めてで、若者や地域の人の協力もあり開催できる」と感謝し、「伝統野菜は地域をつなげる重要な食材。まずは南信州の人に広く食べてもらえるきっかけにしたい」と話していた。