【Playback箱根駅伝】第74回/神奈川大が出遅れも山で爆発!完全優勝で連覇 駒大が過去最高2位
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第74回箱根駅伝総合成績をチェック
第74回(1998年/平成10年) 「YKK対決」は歴代2位の好タイムで神奈川大に軍配 帝京大初出場
前年王者で全日本大学駅伝を制した神奈川大、出雲駅伝覇者の駒大、前年2位で全日本でも準優勝だった山梨学大による「YKK対決」と見られた第74回大会。 前回出場校の亜細亜大、法大、東農大が予選会で姿を消した一方で、帝京大が念願の初出場。日大が2年ぶり、関東学院大が4年ぶりに本戦出場を果たした。 1区は専大の湯浅龍雄(4年)が区間賞を獲得。12秒差の2位に拓大の東勝博(3年)、3位には早大のルーキー・佐藤敦之が続いた。優勝候補の3校は駒大が7位、山梨学大が8位、神奈川大が11位と出遅れた。 2区では早大の梅木蔵雄(4年)が区間賞の走りで首位に浮上。順大は三代直樹(3年)が4位から2つ順位を上げて2位通過、駒大は藤田敦之(3年)が4人抜きで3位へ上げ、日大の山本佑樹(2年)が6人抜きで4位に上がった。 早大は3区、4区でもトップを守り抜き、5区にタスキが渡る小田原中継所には早大、駒大、中大の順で通過。神奈川大は4区の渡邉聰(3年)が区間2位に59秒差をつける区間賞の走りで6位から4位に浮上した。山梨学大はエース格の古田哲弘(2年)の欠場が響いて序盤は苦しんだものの、4区終了時には6位まで上げた。 5区では激しく順位が入れ替わった。9km過ぎで駒大の足立康光(4年)が早大をかわして首位へ躍り出ると、神奈川大の勝間信弥(1年)が4位から19km過ぎで先頭を奪取。2年連続の往路優勝を決めた。わずか13秒差で駒大が続き、早大が3位。横田一仁(3年)が区間賞を獲得した山梨学大は4位で往路を終えた。この時点で、1位神奈川大から4位山梨学大までの差はわずか1分35秒。優勝争いは4校に絞られた。 ところが、復路では神奈川大が圧倒的なタスキリレーを見せた。6区の中澤晃(3年)が従来の区間記録を23秒も更新する58分44秒の快走で後続との差を広げると、7区の中野幹生(4年)、8区の辻原幸生(2年)も区間トップ。9区の岩原正樹(3年)も区間3位、10区の中里竜也(4年)は区間2位と抜群の安定感で前年に続く総合優勝を決めた。神奈川大は往路・復路ともに制する完全Vだった。 6区以降、3位以下を寄せつけなかった駒大が過去最高順位の2位。「YKK」の一角である山梨学大も10区・大崎悟史(3年)の区間賞などで意地を見せて3位に食い込んだ。 前回予選落ちだった日大は2区以降で9位以内を堅守し、総合7位で3年ぶりシード校へ返り咲き。8位の拓大も19年ぶりにシード権をつかみ、最後の1枠は大東大が東洋大との争いを23秒差で制した。1区と3区で区間賞を獲得するなど往路を沸かせた専大は12位まで順位を落とした。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部