これぞ亀梨和也の演技の真骨頂! 『Destiny』視聴者を沼らせる真樹の仄暗い色気
奏(石原さとみ)と真樹(亀梨和也)の衝撃的なキスシーンも
ミステリー要素だけではなく、恋愛においてもそうだ。12年ぶりに奏の前に現れた真樹は、「もう2度と恋に落ちてはいけない」と頭ではわかっている奏の心を相変わらずかき乱す存在だった。検事6年目の奏に「すごいな、頑張ったんだな」とあの時の優しい声で囁く。 なにか裏があっての行動ではない。愛するもの、大好きだった仲間に対しては真正面からさらっと愛を伝える、それが真樹なのだ。 そして何よりも衝撃を与えたのは、第3話におけるキスシーンである。12年前、トラックが通過するとそこからもういなくなっていた真樹が、今回はいなくならなかった。それを見た奏がたまらず走り出し、2人が再び歩道橋の真ん中で落ち合ってキスをするシーン。まさにただ「再会」したのではなく、「出会ってしまった」というにふさわしい。そんな2人の抑えきれない思いが溢れ出したキスの後で奏の肩を辿って手を下ろし「忘れて」という真樹は妙に色っぽい。そして「無理だよ」と答えた奏に「じゃあ……忘れないで」と告げるところまでセットで罪深かった。歳を重ね、もともと持ち合わせていた色気に渋みが加わった亀梨だからこそ生み出せた表情なのだろう。 このようなシーンの積み重ねから、真樹という沼に落ちてしまった視聴者も多いはず。しかし、第5話の最後にはまさかの実家に放火した疑惑が浮上、さらには胆嚢ガンであることが判明した真樹。ここからは奏と“検事と犯人”という関係性になっていく。おそらく触れ合うことはもうない。それでは、2人の12年越しの恋はもう終わってしまうのか。
於ありさ