『アイドルマスター SideM』記念すべき10周年 プロデューサーが愛する315プロの歩み、繋がっていく未来
2024年7月13日、14日の2日間にわたり、千葉・幕張メッセ 国際展示場ホール9-11ホールで『THE IDOLM@STER SideM 9th STAGE ~MIR@-CIRCLE CRESCENDO~』(以下、『9th STAGE』)が開催された。東京・舞浜アンフィシアターで開催された最初の単独ライブ『THE IDOLM@STER SideM 1st STAGE~ST@RTING!~』から9年。あの日よりも出演するアイドルユニットも増え、プロデューサー(『アイドルマスター』ファンの呼称)の数も何万倍にもなり、色とりどりのペンライトの光の向こうに見えるステージにアイドルたちは立っていた。『ST@RTING!』と謳った1st以降、周年のライブや『GREETING TOUR』をはじめとしたツアーもあり、全国各地でアイドルたちの歌がプロデューサーたちを笑顔にしてきた。そのタイミングでリリースされる新曲の初披露だけでなく、ステージ未歌唱曲や既存シリーズの楽曲もステージから響き、それぞれのユニットがその魅力を余すことなく届けるライブを実に9年もの期間にわたり彼らは続けている。 【写真】『アイドルマスター SideM』、「DRIVE A LIVE」登壇キャスト全員で披露 『アイドルマスター SideM』は、元弁護士や元医者、元パイロット候補生など、前職のある者が「理由(ワケ)あって」アイドルとなり、パッション溢れる齋藤孝司社長率いる315プロダクションに所属するアイドルたちのメディアミックスプロジェクト。かつての職業で得たさまざまな体験を通し、人を笑顔に、元気にするという夢に出会って突き進むアイドルたちが全16ユニット、総勢49人のアイドルたちがプロダクションに所属している。それぞれの個性だけでなく、前職の豊かな個性も活かした彼らの歌は、多くの人たちを元気にしてきた。そんな9年間の集大成ともいえる『9th STAGE』で気づいたことがある。それはファン層の広さだ。彼らと出会い、ともに歩んできたプロデューサー。これだけ長く続いているコンテンツであるため、長きにわたって応援しているプロデューサーの想いがどんどん色濃く、深くなっていくことは想像できるだろう。しかし、若年層、そして男性プロデューサーもたくさんいるのだ。つまり新陳代謝がいい、稀有なコンテンツともいえる。それはなぜか、大きな要因の一つにC.FIRSTの存在とゲームアプリ『アイドルマスター SideM GROWING STARS』(現在はサービス終了)があるだろう。 そもそも『アイドルマスター SideM』はMobageが提供するドラマチックアイドル育成ゲームだった(現在はサービス終了)。その後、音楽ゲームアプリ『アイドルマスター SideM LIVE ON ST@GE!』(現在はサービス終了)を経て、ゲームアプリ『アイドルマスター SideM GROWING STARS』が2021年10月に誕生。そのタイミングで「理由(ワケ)あって」アイドルになったのが、生徒会長をする3人の高校生が集まって結成されたアイドルユニット C.FIRSTだった。このゲームで『アイドルマスター SideM』を知ったプロデューサーは、同じく新たに加入したユニットとともに『SideM』の世界に踏み込むことができた。そして、2022年にはC.FIRSTが初めて参加することになった『THE IDOLM@STER SideM 6thLIVE TOUR ~NEXT DESTIN@TION!~ Side TOKYO』が開催。コロナ禍真っ只中、配信でライブを見ることもできたプロデューサーたち。笑顔いっぱいに歌い、踊り、心から『SideM』のアイドルであることを楽しむ各ユニットを目にし、C.FIRSTを入口に楽曲/ユニットの魅力に出会い、惹かれていく――なぜなら、そこにはまったく異なる魅力を放つ“16のユニット”と彼らの音楽、それを歌う個性豊かな“49人のアイドル”たちがいて、キラキラと輝きを放っているのだから。『9th STAGE』でも「初めてライブに来た人!」という呼びかけにたくさんの手が挙がっていた。その人たちはこの日、初めてアイドルたちが放つライブに触れ、その魅力に心を奪われたはず。きっと次のライブでは推しのペンライトを振っていることだろう。 そしてもう一つ。やはり大きな魅力となるのは“楽曲”だ。ゲームがサービスを終了しようとも、16ユニットの新たな曲を収録したCDシリーズは止まることなくリリースされ続ける。いつだってどこかのユニットが新曲を出しているのだ。楽曲を作るクリエイターもアイドルへの理解における解像度が高く、それぞれのアイドルが歌う曲には必ずその人が歌う「理由(ワケ)」があり、その親和性にプロデューサーたちは心が動かされ、メッセージは幸福感を生む。それに、毎年の周年ライブでは必ずテーマソングが制作され、毎年一新される新衣装をまとったアイドルたちがプロデューサーとともに高らかに歌うのだ。『9th STAGE』では「Gather Round!」がテーマソングとしてステージを彩った。ドラマティックに広がっていくストリングスの音色が印象的なこの楽曲の歌詞は、さまざまなコンテンツのアイドルソングを手がけ、『SideM』でも「MEET THE WORLD!」など数多くの作詞を担ってきた真崎エリカが紡ぎ、“繋がっていく”ことを歌い上げる。『9th STAGE』で、会場にいるプロデューサー、そして配信で見ているプロデューサーたちと繋がろうと笑顔を見せたアイドルたちの表情が網膜に焼き付いている。もちろん、ともに歌う際の胸を包む幸せな気持ちも。