台湾の頼総統、米下院議長と電話会談 中国軍の演習「排除できない」と台湾当局者
【台北=西見由章】太平洋島嶼国3カ国を歴訪している台湾の頼清徳総統は4日、米共和党のジョンソン下院議長と電話会談した。米政府系メディアのボイス・オブ・アメリカ(VOA)が伝えた。トランプ次期政権との関係安定を図る動きの一環とみられる。一方、台湾当局者は4日、中国軍が今後数日間に、頼氏の米国立ち寄りを口実に台湾周辺で軍事演習を実施する可能性を「排除できない」と述べた。頼氏は6日、最後の訪問国のパラオから台湾に戻る。 【比較してみる】中国と台湾の軍事力 台湾当局者は、先月下旬から第1列島線内で中露両軍の動きが活発化していると指摘。頼氏が外遊を終える前後に、中国軍が「連合利剣-2024C」と称して頼政権発足後3回目となる大型演習を実施する可能性に言及した。中国側の狙いとして、トランプ次期政権が発足する前に周辺海域での中国の「主導権」を誇示するほか、軍高官への調査で動揺する中国軍内部の不穏な動きを封じる意図もあると分析した。 一方、天候の影響から過去の演習よりも規模は小さくなるとの見方も示した。 頼氏は5日、米軍の重要基地がある米領グアムのレオンゲレロ知事と会談。中国を念頭に「台湾とグアムは共に全体主義の脅威に直面している。より緊密に連携し、インド太平洋の平和と安定のために貢献しなければならない」と述べた。総統府が発表した。 頼氏は1日にも、立ち寄り先の米ハワイ州で、下院元議長のペロシ下院議員(民主党)と20分間の電話会談を実施。ペロシ氏は米国の超党派による台湾支持を強調した。