40代共働き夫婦、近々離婚します。私は年収400万円、小学生の子が2人いますが、養育費はいくらくらい払えばいいですか?
近々離婚することになったというAさん。小学生のお子さん2人いますが、お子さんは妻と一緒に住むそうです。養育費の目安を知りたいとご相談に来られました。
養育費の目安はいくら?
協議離婚の場合、養育費をいくらに設定するかは当事者の2人が自由に決めることができます。ただ、いくら払えばいいか見当がつかないということで裁判所の養育費算定表を参考にする方が多いようです。算定表は当事者2人の年収から毎月の養育費の目安が分かる表です。 子の年齢と人数によって使用する算定表が異なり、Aさんの場合、小学生の子が2人のため「養育費・子2人表(第1子および第2子0~14歳)」を参考にします。 算定表には縦軸が養育費を支払う人の年収、横軸が養育費をもらう人の年収が表示されています。Aさんは、会社員で年収400万円、Aさんの妻も会社員で年収は300万円のため、縦軸400万円、横軸300万円が交わる升目が該当の養育費となります。
【図表1】 算定表を確認すると4~6万円のマス目に該当しますから、子2人に対して4~6万円が養育費として支払う参考の金額ということが分かります。
算定表に含まれるもの・含まれないもの
算定表の養育費には、公立高校を卒業するまでの平均的な生活費と学費が含まれています。したがって、大学費用や私立学校に行く学費は含まれていません。 もし、今後私立学校に行ったり大学に行ったりすることを想定するなら、その費用をどうするか、別途考える必要があります。なお、国立大学と私立大学の学費の平均費用は図表2のとおりです。
【図表2】 また、大学に進学するなら受験費用もかかります。受験地が遠方なら宿泊費と交通費もかかりますし、自宅外通学となれば仕送りが発生するかもしれません。 養育費以外の費用も発生する可能性があることを考えておいたほうがよいでしょう。
夫は支払い能力を考える
大学費用など養育費以外の費用については、その時に話し合う、今金額を決めてしまう、養育費に上乗せする、負担しない、などさまざまなパターンがあると考えられます。 ただ、もしその時が来たら支払うという取り決めにするなら、その時の収入から支出できる金額ではないかもしれません。とくに大学の学費は、毎月の手取りから支払える金額ではありませんから、今から準備しておく必要があるでしょう。 しかし、準備できる金額にも限界があります。学費等支払いが多すぎて生活が苦しい父親は実際にいます。いくらまでなら支払えるのか、自分の支払い能力も確認しておくことをおすすめします。 そのためにはライフプラン作成が有効です。一般的には収入が少ない、そして子を育てる妻がライフプランを作成することを考えるかもしれません。 しかし、養育費を支払う夫のライフプランが成り立たなければ妻のライフプランも成り立ちません。支払い能力がどの程度あるのかは、しっかり考えておきましょう。また大きなお金の支出が将来予想されるなら、今から積み立てしておくこともおすすめします。 出典 裁判所 養育費・婚姻費用算定表 文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について 文部科学省(参考2)国公私立大学の授業料等の推移 執筆者:前田菜緒 FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士
ファイナンシャルフィールド編集部