城氏が分析。なぜ森保Jは本気のウルグアイから勝ち点「1」を奪えたのか?
植田と冨安の2人は、ウルグアイの強烈な2トップをどう止めるかをテーマに対応していた。PKを献上することになった植田のペナルティエリア内でのミスはいただけないが、全体的にディフェンスはポジショニングを頭に入れながらインターセプトを狙ったり対応を遅らせたり、よく仕事をした。ヘッドで競り合うべきボールを胸トラップするようなスアレスを相手に渡り合ったのだから自信にもつながるだろう。 ただ後半になってウルグアイが前がかりとなり、中盤の選手がどんどん飛び出してくるようになり、人数をかけられて数的不利な状況になったとき、マークの受け渡しが甘くなるなど危ない状況を作った。誰がどこへいくかが曖昧になっていた。追い越しを使われ、自由にやられた。幸いウルグアイのミスに助けられたが、そこが課題。 森保監督の采配も冷静だった。 微妙な時間帯の後半38分に久保を投入した。押されて劣勢だったので久保を入れることで、もっと前線でボールをキープし、願わくばワンチャンスを作り流れを変えたかったのだろう。相手の圧力に圧倒され、セカンドボールも拾えず、そういう場面を作ることはできなかった。だが、さらに4分後にはウルグアイの高さに対抗するために191センチある立田を起用した。チームの危ないところをチェックして集中力を切らさずピースを埋めた。終盤にあれほど攻め込まれながら引き分けに持ち込んだマネジメント力は評価されるべきだろう。 さて決勝トーナメント進出をかけた次戦のエクアドル戦だが、ウルグアイ戦のメンバーを主体に挑んでいいのではないか。特に前の4人の連携はもう1試合見たい。久保と安部を替えても流れは変わらないかもしれないが、久保を途中から使うというオプションもある。ゲームの流れを見ながら、もう少し長い時間起用して「久保で何かを起こす」のもひとつの手段。 エクアドルは個の能力が高く、パワー、スピード、高さは警戒しなければならないチーム。日本との実力差はあり厳しい戦いになるだろうが、緻密なマークや3人目の動きへのカバーリングなどの組織的なプレーは不得意。この2試合のチームの出来としては、まだよくない。やりようによっては崩せる可能性もある。 若手中心に乗り込んだ今大会のテーマとしては、東京五輪に向けての戦力の底上げと同時に、日本代表として真剣勝負のコパ・アメリカで勝ちにいくという両面がある。1試合でも多く貴重な経験を積む機会が増えることに期待したい。 (文責・城彰二/元日本代表FW)