賃貸大家ユニット・半田兄弟、老朽化アパート再生のカギは「家庭菜園とDIY」! 入居率も30%アップまでの軌跡 福岡県久留米市
「2014年から街の人が参加できるイベントをはじめました。DIYした部屋の見学会や、アパートに置くベンチづくりなどのワークショップを開催したり、以前から入居者の交流のために開いていた食事会にご近所さんを招いたり。アパート前で行っていた小さなマルシェを「くしわら駅前マーケット」と名付け、『こんな駅前になったら良いな』という思いで続けています」(満さん) アパート1階に店舗出店者を募り、今では、カレー屋さん、パン屋さん、コーヒースタンド2つ、料理教室の5店舗ができました。居住者、店舗経営者、近所の人の参加を通じて、「自分たちの暮らしをつくる」コミュニティが生まれています。 「入居者同士が仲良くなったとしても、いずれ引越していなくなってしまうんですよね。イベントの核になっていた入居者さんがいなくなると途絶えてしまう。近所の方に参加してもらうことで、活動や人の繋がりが維持できるのだと思います」(啓祐さん)
近所にファンも多いコーヒーショップやカレー屋さん。
2020年にアパート1階にオープンしたパン屋さん。
DIYワークショップなどで地域の職人さんや住民が繋がる「コーポ江戸屋敷」
次に、H&A brothersが手掛けたのは、西鉄久留米駅から約2km半ほど南下した住宅地にあるコーポ江戸屋敷です。約1000坪の広い敷地に3棟があり、昭和の団地のような雰囲気でした。現在は、スペースRデザインとH&A brothersが協働で建物管理をしています。 2016年に団地再生プロジェクトに加わったH&A brothersは、当初、3室のリノベーションを担当しました。 「入居者がDIYで完成させる、『育てる』をコンセプトにした部屋と、棚などを設けて、好きなものを『飾る』お部屋、2タイプつくりました。入居者はすぐ決まったのですが、家賃が思ったほど上がらなかったり、全部で48室あるので、このままリノベーションをするとものすごくお金がかかることがわかり、違うやり方を探すことになりました」(満さん)