アフリカ人男性の「難民申請」認められる “3度目以降の申請者は送還可能”とする改正入管法に「警鐘」を鳴らす判決
男性の妻はいまも「母国の軍施設」に収容されている
原告のアフリカ人男性は「長い間、この判決を待っていた」と語った。 「正直なところ、勝てるとは思っていなかった。日本の司法を信じられなくなっていた。しかし、今日、いままでの苦労が報われて喜びを感じた」(原告男性) 男性の妻は2012年に来日したが、2016年に帰国したところ、母国の空港で拘束され、現在に至るまで軍施設に収容されている。施設内で男性との子を出産したという。 男性には他にも数人の子がいるが、何年間も会えていない。「家族と離れ離れになることがなにを意味するのか、日本の皆さんにも理解してもらえると思う」(原告男性) 渡邊弁護士は、入管は難民申請者の調査にあたって諸外国の政治的な状況などの危険性を適切に判断してこず、また申請者を保護する意欲にも欠けているとして、難民認定制度は機能不全になっていると指摘した。 「日本の難民認定制度は国際基準に達していない。入管は出入国管理の都合ばかりを考えており、難民の問題に真正面から取り組む意志を持っていない」(渡邊弁護士)
弁護士JP編集部