やらなければいけないことに追われ、悲しくても立ち止まる時間すらない。ある日突然夫を亡くした妻の体験談【書評】
作者は夫の突然の死を経験したことで、自分が突然死んでしまったときの備えをしている。大事な書類を管理するファイルを作り、わかりやすく整理していた。さらに、ある鞄にはパスワードの一覧表と頼れる人の一覧表を入れ、その存在をしっかり子どもに伝えてあるのだ。救急車の呼び方やスマホの緊急SOSの使い方なども子どもに教え、万が一のときに備えているという。死んでしまった人の人生はそれまででも残された人の人生は続いていくのだから、作者のように自分が死んだ後の準備をしておくべきなのだ。
人間は必ず死ぬ日が来る。それが明日なのか明後日なのかはわからない。だからこそ、日ごろから死んだ後のことも考えて、家族と一緒に話し合っておくべきなのだろう。本作には、ライターの山崎潤子さんによる死後に必要な手続きの手順解説も掲載されている。この1冊を読めば死についての準備ができるようになるので、ぜひ家族と一緒に読んでいつ訪れるかわからない死に備えてほしいと思う。 文=ネゴト/ 押入れの人