静岡大の衛星、搭載するロケット変更へ 打ち上げ2025年度中に
静岡大工学部が開発した超小型人工衛星STARS―X(スターズエックス)を搭載するロケットが変更され、打ち上げが2025年度中にずれ込むことが31日までに、衛星の開発を主導する同学部の能見公博教授への取材で分かった。ロケットが変更されるのは2度目。同衛星は当初、22年中にも打ち上げる計画だった。 新たに衛星の搭載候補となったロケットは宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「H3形態試験機」。JAXAによると、打ち上げ成功実績があるロケットH3と大部分が似通っていて、液体エンジンのみで離陸することなどが特徴という。 スターズエックスは、地上と宇宙ステーションをケーブルで結んで人や物資を運ぶ「宇宙エレベーター」構想や、「宇宙ごみ」と呼ばれる衛星などの残骸を捕獲、リサイクルすることなどを狙って開発された。JAXAの公募する実証テーマに選ばれ、打ち上げ機会の提供を受ける。 ロケット変更により、振動に耐えられるかなどのスターズエックスへの要求も変わるという。能見教授は「(打ち上げ機会が)延び延びだが、なんとか打ち上げたい。ミッション失敗にならないよう気を引き締めたい」と話す。
静岡新聞社