（写真：山形新聞社）

　県内企業の管理職に占める女性の割合が、今年7月時点で平均14.8％となり、過去最高となったことが帝国データバンク山形支店のまとめで分かった。政府目標の「女性管理職30％」を達成した企業の割合も過去最高の18.3％だった。全国平均はそれぞれ10.9％、11.4％で、本県はいずれも上回った。同支店では「共働き率の高さなどが女性登用につながっている」と分析している。 　課長相当職以上の管理職に占める女性割合の詳細は図の通り。14.8％は前年同期比3.9ポイントアップだった。女性管理職30％以上を達成したとの回答は同7.7ポイントアップで、上昇幅も過去最大となった。一方で女性管理職がいないとした企業は41.5％と最も多く、女性役員ゼロの企業も52.1％と半数を超えた。 　女性管理職割合の平均を企業規模別で見ると、小規模企業が19.3％、中小企業15.6％、大企業6.8％。規模が小さい企業ほど高くなった。業種別では、サービス31.8％、小売25.7％、農・林・水産20.4％、不動産20.0％の順で高かった。女性従業員が比較的少ない製造は8.5％、建設は4.4％などと低水準にとどまった。

　同支店は「女性登用が社会の流れになっている」と説明する。本県については、核家族が他都道府県と比べて少なく外で働く女性が多いことに加え、「創業率が比較的高く、家族が管理職に就くケースが一定数ある」としている。 　女性管理職割合の今後の変化見通しは「増加する」とした企業が38.7％で、「変わらない」と回答したのは46.5％だった。 　今回調査した企業に、日本で女性管理職の割合が上昇しない要因について聞くと、「家庭と仕事の両立がしにくい」が57.0％でトップ。「女性従業員が昇進を望まない」が40.1％、「日本社会の性別役割分担意識の存在」が38.0％と続いた。同支店は「育児や家事の分担など、女性が安心して社会進出できる環境作りが不可欠」と指摘している。 　調査は7月18～31日に県内304社を対象に行い、142社から回答を得た（回答率46.7％）。