【100歳の100の知恵】ただ年上ということだけで、上から目線でなにか言うのは、おこがましい。年齢や性別関係なく、相手を尊重する気持ちを忘れない
101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが日々の生活のなかで見つけた「幸せに生きる方法」「暮らしのアイデア」「簡単に作れるおいしい料理」は今の時代を生きる上でもヒントがいっぱい。エッセイ集『100歳の100の知恵』(中央公論新社)から吉沢さんの極意を1つずつ紹介します。 * * * * * * * <100歳の100の知恵 95> ◆<私のしないこと十訓>『相手を尊重し人のプライドを傷つけない』 人には誇りがあります。プライドと言い換えてもいいかもしれません。ですから年齢や性別に関係なく、相手を尊重する気持ちは忘れてはいけないと思います。 以前は、けっこう若い方を自宅にお預かりしていましたが、若い人もそれぞれ個性があり、自分なりの考え方を持っているものです。 ですから、いくら私のほうが年上で、さまざまな経験を積んできたからといって、あまり私の考えを押しつけませんでした。ただ年上ということだけで、上からの目線でなにか言うのは、おこがましいと思っていたからです。 一人ひとりの個性を尊重してきたから、みなさん、後々私と過ごした時間を懐かしく思ってくださるのではないでしょうか。今もときどき、訪ねてきてくれます。 老いて外出がままならなくなった私にとって、みなさんの訪問はとても貴重な時間。ありがたいなと思っています。
吉沢久子
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