ドングリの味は…? 囲炉裏の上に蓄え、「飢饉食」だった木の実 東北の厳しい自然を生き抜く知恵
縄文時代からあった木の実食
実際に食べてみると、「甘くない栗の味」だ。 おいしくはないが、まずいとも言えない。 木の実食は縄文時代からあり、一戸町の御所野遺跡では、食料を得るために当時の人々が木の実のなる林を作っていた可能性が指摘されている。 1950~70年代の北上山系北部では、農家が畑だけでは食料自給ができず、不足分を木の実で補っていたとされる調査もある。 古川さんは「木の実食は、人々が北国の厳しい自然を生き抜くために伝えてきた食文化。地域をより深く理解するためにも、いま一度見つめ直してみる必要がある」と話す。 (2023年10月取材) <三浦英之:2000年に朝日新聞に入社後、宮城・南三陸駐在や福島・南相馬支局員として東日本大震災の取材を続ける。書籍『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』で開高健ノンフィクション賞、『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』で小学館ノンフィクション大賞、『太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密』で山本美香記念国際ジャーナリスト賞と新潮ドキュメント賞を受賞。withnewsの連載「帰れない村(https://withnews.jp/articles/series/90/1)」 では2021 LINEジャーナリズム賞を受賞した>