台湾では「輪行」不要!? 国鉄で広がる自転車の旅はちょっと不思議な感覚
自転車を押してホームまで!?
日本では、自転車を持って電車に乗る(「輪行」する)には、自転車を「輪行袋」に収納する必要があります。それが台湾の国鉄では、自転車をそのまま車内に持ち込むことができるのです。 【画像】台湾の国鉄に自転車と一緒に乗ってみた画像を見る(10枚)
台湾は九州本島とほぼ同じ面積ながら、人口は九州の1.8倍の約2341万人(2024年3月現在)に達します。山が多く険しい地形で平地に人が集中しているため、クルマやバイクの交通量も多く、信号も頻繁に現れるので自転車では走りにくい地域が多いのが実情です。 そこで、「せっかく台湾に来たからいろいろな場所で自転車に乗りたい!」という人には、台湾の国鉄がオススメなのです。台湾の外周をぐるっと一周する鉄道網を活かして全土へアクセスできます。都市間を結ぶ交通量の多い道を電車で「ワープ」することで、効率的に走りたい地域を楽しめるでしょう。 自転車の持ち込み料金は、大人運賃の半額(子供料金と同じ値段)です。輪行の手間も省け、自転車を押してホームを歩けるので、楽に移動することができます。切符は窓口だけでなく、文字と音声が日本語対応している券売機でも購入できるので安心です。もちろんクレジットカードも使用できます。
改札では駅員に乗車券と自転車券を見せると、自動改札に切符を通してくれた上で、人と自転車は横の広い改札に案内してくれます。 自転車券には乗車する電車と車両が指定されており、筆者(才田直人)の切符には「REAR CAR(後方車両)」と書かれていました。ホーム最後尾で電車を待ち、最後尾車両に乗車しました。 筆者が乗った電車には特別な自転車用スペースはなかったため、自転車を持ったまま座席に腰を下ろしました。普段、日本で輪行に慣れている身としては、少し不思議な体験です。 途中駅で、他の乗客も同じように自転車を持って乗り込んで、シートに座っていました。
目的地に到着したら、自転車を押して電車を降ります。 ホームの階段には自転車用スロープが備えられていましたが、ハンドルと手すりが干渉しやすく、少し使いにくさを感じました。ロードバイクのような軽い自転車なら傾けて利用できますが、キャリアで荷物を積んだ重い自転車などの場合は、エレベーターを利用する方が良いでしょう。 出口でも幅の広い自転車に便利な改札があるので、スムーズに外へ出られます。輪行の手間もなく、そのまますぐに走り出せるので快適です。
筆者が旅をしている最中、台風が台湾に接近したため、電車がすべて運休するということがありました。天候悪化時には国鉄のホームページなどを確認して、運行状況をチェックすると良いでしょう。 また、長距離移動には台湾新幹線も便利です。こちらは輪行が必要になりますが、短時間で長距離を移動できるメリットがあります。 台湾では電車をうまく活用して、快適な自転車旅を楽しみましょう!
才田直人