改正国会職権関連法の違憲審査 頼総統「身を挺して憲法守る」/台湾
(台北中央社)憲法法廷は6日、立法院(国会)の権限を強化する改正国会職権関連法が憲法違反に当たるかを審査する裁判の口頭弁論を行った。頼清徳(らいせいとく)総統は同日、短文投稿アプリのThreads(スレッズ)で、「総統として、必ずや身を挺して憲法を守る」との立場を示した。 関連法は5月28日に立法院で可決され、6月26日に施行された。頼氏や行政院(内閣)、与党・民進党立法院党団(議員団)、監察院は関連法に違憲の恐れがあるとして違憲審査と法律の一時停止を司法院にそれぞれ申し立て、憲法法廷は先月19日、関連法のうち、総統による国情報告の聞き取り▽報告聞き取りと質問▽人事同意権行使▽調査権行使▽聴証会開催―に加え、刑法の「国会軽視(議会侮辱)罪」などに関連する条文の一時停止を決定した。 この日は頼氏の機関代表として総統府の潘孟安(はんもうあん)秘書長と張惇涵(ちょうじゅんかん)副秘書長が出廷した。 頼氏はスレッズで、自身は「国会改革の支持者だ」と表明した上で、「立法院は今回、憲法改正手続きではなく、法改正手続きのみを通じて一方的に憲法の権力分立の境界線を動かした。さらには人々の権利を侵害する懸念を生じさせた」と指摘。また、今回の法改正の過程は「議論が不十分だった」とし、閉鎖的で不透明かつ自分たちの権益に影響を与えかねない法改正に人々が焦りを感じていることから、頼氏自身や各憲政機関が違憲審査を申し立てたと説明した。 裁判では、関連法の立法手続きに明らかに重大な瑕疵(かし)があったかどうかが争われる他、関連法に盛り込まれた総統の国情報告や質問、人事同意権、調査権、聴証会などに関連する各条文が憲法違反に当たるかが審査される。 (温貴香/編集:名切千絵)