自民総裁選7候補が農業予算「増額」 日本農業新聞アンケート 「4兆円台」の声も
自民党総裁選(27日投開票)を巡り、日本農業新聞は候補者9人に対し農政アンケートを行った。農業予算の水準について意向を尋ねたところ、小泉進次郎、河野太郎両氏を除く7人が「増額」すべきだと回答。食料安全保障の強化へ、財源を増やすべきだとの声が相次いだ。高市早苗氏は、少なくとも「4兆円台」の回復が必要だとした。 アンケートは、足元で当初・補正合わせて3兆円台で推移している農業予算について①増額②現状維持③その他──の3択で意向を聞き、理由も尋ねた。 高市氏は、食料・農業・農村基本法制定当時の予算が当初・補正の合計で4兆円台だったことを念頭に、「少なくともその規模に戻す」と主張した。 小林鷹之氏は、食料の調達競争が激しいとして国内生産を重視。2025年度農林水産予算概算要求を「満額確保」し、補正などで積み上げる意向だ。 林芳正氏は、若手が安心して営農できる水準が必要だと強調。将来不安なく投資できるよう、計画的に財源を確保する方針を示す。 上川陽子氏は「日本茶業中央会会長として重要性を認識」していると強調。肥料高騰対策や販路開拓支援などを拡充するとした。 加藤勝信氏は「生産性向上と輸出を強力に促進するための予算」を増やすとし、「高収益化・持続的発展」につなげると訴えた。 石破茂氏は「必要性を十分理解した上で最大限努力」するとし、上積みの意向を強調。「水準は予算編成過程で検討」するとした。 茂木敏充氏は「農は国の基(もとい)」だと強調。地方の観点からも「農業振興は極めて重要」だと訴えた。 小泉氏は、輸出拡大などに必要な予算を確保するとしつつ、「その他」と答えた。河野氏は回答しなかった。 政府は改正基本法の初動5年間を「農業構造転換集中対策期間」とし、農業予算を確保する方針。岸田文雄首相も国会で必要な予算の措置を表明した。 (松本大輔)
日本農業新聞