ついに全貌が明らかに! 熊川哲也による新作バレエ『マーメイド』世界初演開幕レポート
飯島望未、山本雅也が明かした『マーメイド』への思い
終演後に実施された囲み取材には、主演の飯島、山本が登場。開口一番「ほっとしました」と述べたのは、マーメイドを演じた飯島だ。「いままでも少女の役は演じてきましたが、今回はこれまで以上に無邪気で、だからこそ、恋をして、それが破れた時の気持ちの落ち方をすごく意識しました」と、役への思いを語る。「全部のシーンで、それぞれの役が立っている。とくにプリンスとプリンセスの婚約式は見ていてとても楽しい。技の組み込まれ方が本当に素晴らしく、また、それができるダンサーたちもすごい。ぜひ注目してみてください」と見どころをアピールした。 いっぽうの山本は、「皆さんと同じ気持ちで、すごく感動しています」と興奮冷めやらぬ様子。「冒険に出ていきたいという純粋な気持ちを持つ王子。作っていく段階で、これは熊川ディレクターのようだなと思った部分があります。彼の作品を体現することができ、とてもありがたく思います」とも。「船の上から鯨の尾が見えた時には少し、うるっときました。素晴らしいシーン! マーメイドとプリンスの唯一のパ・ド・ドゥもとても素敵。ぜひ観ていただきたいです」。 音楽は、Kバレエ トウキョウ/シアター オーケストラ トウキョウ音楽監督・井田勝大の提案により、バレエ『ライモンダ』の音楽で知られるグラズノフ、その交響曲を中心に、その他の管弦楽曲、バレエ音楽などで構成。舞台美術は、ミュージカルやストレートプレイの舞台で数々の実績を誇る二村周作、衣裳デザインは世界の名だたる劇場でバレエの衣裳を手がけてきたアンゲリーナ・アトラギッチが担当した。様々な才能が集結して熊川オリジナルの感動の物語を立ち上げた『マーメイド』。“子供だまし”のない本物のバレエだからこそ、子供たちも大人も夢中になれる作品となった。 このあと愛知、大阪、札幌での上演を経て、9月21日(土) から10月6日(日) には東京・Bunkamuraオーチャードホールでの公演を予定。主演は日替わりで、ほかに小林美奈、岩井優花、堀内將平、栗山廉が登場、それぞれの個性あふれる演技が期待されている。 取材・文:加藤智子 撮影:(C)Yoshitomo Okuda <公演情報> 熊川哲也 K-BALLET TOKYO Autumn Tour 2024『マーメイド』 公演期間:2024年9月21日(土)~2024年10月6日(日) 会場:Bunkamuraオーチャードホール ほか、愛知・大阪・札幌公演あり