空飛ぶクルマ、万博の商用運航断念 CEO「想定しない課題見えた」
大阪・関西万博の目玉とされる「空飛ぶクルマ」。運航事業者に選ばれたベンチャー企業「スカイドライブ」(愛知県豊田市)の福沢知浩CEO(最高経営責任者)が4日、朝日新聞などの取材に応じた。同社は6月、万博での商用運航を断念すると表明。福沢CEOは「想定していなかった課題が見えてきた」などと理由を説明した。 【写真】スカイドライブの福沢知浩CEO=2024年7月4日午後0時53分、東京都千代田区、森下友貴撮影 同社が開発しているのは全長約11・5メートルの3人乗りの機体。2023年2月、ANAホールディングス(HD)などのグループ、日本航空、丸紅とともに、それぞれ運航事業者に選ばれた。このうち、丸紅も万博での商用運航を断念している。 商用運航には、安全性や環境適合性が国の基準を満たしていることを示す「耐空証明」を1機ごとに取得する必要がある。福沢CEOは「万博は、日本の小さなスタートアップ企業が世界から注目され、飛躍できる機会だ」としつつ、「開発スケジュールの解像度が上がるたびに、想定していなかった課題が見えてきた。安全を守る上で、万博での商用運航は厳しいと判断した」と説明した。
朝日新聞社